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熟年離婚の理由
妻から切り出されることが多いと言われる熟年離婚。その理由はさまざまでしょうが、よく挙げられる理由は次のようなものです。
価値観の違い
何が大切か、つまらないかといった価値観が、以前から食い違っていたが、もう我慢の限界に来たというような場合です。
姑との関係
これまで姑とうまくいかず、さらに、そんな姑の介護問題も出てきたタイミングです。
浪費・借金
夫がパチンコや競馬などのギャンブル、飲み会や遊びにうつつを抜かして家庭を顧みないといったことに嫌気がさし、限界に来てしまう場合です。
精神的・肉体的虐待
暴力や暴言などを言われ続ける。また、夫のそんな性向がアルコール依存症に陥っているなどで、妻もこれ以上の同居は自分自身もダメになると、離婚を決意するような場合です。
浮気・不倫
過去から続いている浮気や不倫を、これまでは我慢してきたが、この時期にハッキリと決着をつけるといった場合です。
熟年離婚:嫌いだから別れるの?
若いカップルで大恋愛の末の結婚ともなると、好き嫌いの感情が離婚の理由になることも多いかもしれません。
しかし熟年離婚の場合、長年連れ添うことで嫌というほど上に挙げたような苦労も経験し、お互いのよいところも悪いところも見てきています。ですので、若い時のように、嫌いだから別れるというのは、当人たちの実感に合わないかもしれません。
「心的飽和」という心理学用語があります。
これは、単調でずっとやり続けなければならない作業などで、最初はモティベーションが高くても、単調で長時間であるがゆえに、そのうち必ず「飽き」がきてしまいます。
それでも、我慢して作業を続けるのですが、その内に作業を放棄せざるを得ない、あるいはモティベーションそのものが消失してしまう、という心理現象を指しています。
熟年離婚の場合、多くの妻はこの「心的飽和」に陥るだろうことと、さらに昨今の長寿化によってもう一度自分の人生を取り戻したいと、新たな人生にモティベーションがシフトしていく、というのが実態なのかもしれません。
<執筆者プロフィール>
山本 恵一(やまもと・よしかず)
メンタルヘルスライター。立教大学大学院卒、元東京国際大学心理学教授。保健・衛生コンサルタントや妊娠・育児コンサルタント、企業・医療機関向けヘルスケアサービスなどを提供する株式会社とらうべ副社長
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