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やわらかい身体とは
ところで「身体がやわらかい」とは具体的にどのような状態を指すのでしょうか。
体育の授業などで「柔軟体操」という言葉を耳にしたことはある人も多いでしょう。身体のやわらかさのことを「柔軟性」といい、大きく分けて次の2種類があります。
1.静的柔軟性
前屈や開脚などをして、一般的に身体がやわらかい、という場合は、静的柔軟性を指しています。
関節が動く可動域が広ければ身体がやわらかい、狭ければ身体が硬い、ということになり、老化に負けず健やかな身体を保つためにはとても大切です。静的柔軟性を高めるには、ラジオ体操やエクササイズが効果的です。
2.動的柔軟性
関節可動域の中での、筋肉や関節の動かしやすさを指します。動的柔軟性が高いと動きがしなやかになります。
とくに運動能力を向上させたい場合には、動的柔軟性が重要で目的に合わせたストレッチを行うことが効果的です。
今回はとくに、一般的に身体がやわらかいといわれる「1.静的柔軟性」のメリットを中心にみていきましょう。
静的柔軟性が高いことで得られる3つのメリット
1.血行がよくなり、基礎代謝がアップする
身体の筋肉には、ポンプ作用という働きがあり、筋肉が収縮することで、心臓から送り出された血液が身体中を循環しています。
身体がやわらかい人は、筋肉がしなやかに動いてポンプ作用がスムーズに働くため、血行が良い状態を保つことができます。血行が良くなると、手足が冷えたり、足がむくむ、といった悩みが改善されます。
また、筋肉は身体の中でも多くのエネルギーを消費しています。身体がやわらかく、筋肉の伸び縮みがスムーズになると、一つの動きでも筋肉がより大きく動くため、消費エネルギーを増やすことが期待できます。
さらに、基礎代謝がアップするため、太りにくい体質になります。
2.肩こりや腰痛になりにくい身体に
血行不良や筋肉の張りは、肩こり・頭痛といった不調の大きな原因です。身体がやわらかいと、血行が良くなることに加えて、関節にかかる過度な負担、筋肉の張りも軽減されるため、肩こりや腰痛が起こりにくくなります。
また肩こり・腰痛などが慢性化すると、猫背や反り腰といった身体に負担がかかる姿勢が習慣になり、さらなる血行不良や身体の硬さにつながる恐れもあります。
もともと癖になっていた悪い姿勢が身体の硬さを招くこともありますが、悪循環に陥らないよう、正しい姿勢とやわらかい身体をキープすることが大切です。
3.ケガの予防や疲労回復にも効果あり
寒い冬、ウォーミングアップをせずに運動するとケガをしやすくなりますよね。身体のやわらかさはケガの予防にとって重要です。
日頃から身体をやわらかく保つこと、また運動の前にはストレッチを行い筋肉をほぐして、身体をあたためておくことで、筋肉痛や関節の負担も軽減することができます。
また、運動後や日常生活でもたまる疲労物質は、血液の流れに乗って運ばれ分解されます。身体がやわらかく、血行が良いほど、循環がスムーズになるため、疲れを早くとることができます。
身体が硬く、疲れが残りやすかったり不調を感じていたりすると、気分も沈みがちになりますが、やわらかい身体を目指して不調を改善すれば、ハツラツと過ごすことができます。
心も身体もやわらかく、しなやかな状態を目指しましょう。
<執筆者プロフィール>
井上 愛子(いのうえ・あいこ)
保健師・助産師・看護師・保育士。株式会社とらうべ社員、産業保健(働く人の健康管理)のベテラン
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