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執筆:桜 イクミ(管理栄養士・健康運動指導士・フードスペシャリスト)
医療監修:株式会社とらうべ
お腹が空くとイライラしたり、怒りっぽくなった経験はないでしょうか。
それは異常なことではありません。
決してあなただけでなく、誰でも起こりうることなです。そしてこれは、ヒトの身体と脳のしくみに秘密があるようです。
その秘密を探ってみましょう。
お腹が空くと身体はどうなる?怒りっぽくなる?
お腹が空くとイライラしたり、怒りっぽくなるのは、「血糖値」と「セロトニン」に秘密があります。
どのように関係しているのでしょうか。
血糖値
身体は糖質をエネルギー源としています。糖質が不足している状態は、血糖値の低下がみられます。血糖値が低下すると、空腹の状態となり、身体は脳からエネルギー補給のサインを出します。
このように、お腹が空いているときには、血糖値の変化が関係しているのです。
また、血糖値が一気に低下すると、エネルギー源である糖質が不足します。すると身体は、タンパク質を分解することによって、アミノ酸からエネルギーを補給しようとします。
ただしアミノ酸は、脳内の神経伝達物質の材料としても使われています。そのため、アミノ酸がエネルギー補給として使われて不足することで神経伝達物質にも影響がおよび、疲れやすくなったり、イライラしやすくなります。
セロトニン
お腹が空くと、脳内物質である「セロトニン」の濃度が低下します。セロトニンの材料は、「トリプトファン」です。
このトリプトファンは、食べ物からしか摂取することができない必須アミノ酸です。お腹が空くと、トリプトファンが不足してしまうため、材料がなく、セロトニンが生成することができなくなります。
セロトニンが低下すると、怒りや興奮といった感情に関係しているホルモンである「ノルアドレナリン」の分泌が抑制できなくなり、活動している時に働く交感神経が優位となります。その結果、リラックス時に優位になる副交感神経の働きが低下し、怒りっぽくなったり、不安を感じやすくなります。
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