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妊娠中のカラダに冷えが良くないワケとは?
「冷え」が良くないといわれるのはどうしてでしょう。西洋医学では「冷え」についての定義はなく、東洋医学での独特な考え方です。
冷えは「未病」の状態の現れだと考えられています。その未病の考えのもと、一般的に妊娠への影響としていわれていることは、冷えが逆子や切迫早産、弱い陣痛などを引き起こす可能性があるということです。
そのため、身体を冷やすような作用のある食事内容にも気をつけた方が良いということをいわれています。
たとえば、精製された白いもの(砂糖、白米、パン)、肉、生野菜などは、身体を冷やすといわれています。ただし、この考えが正しいかどうかは科学的にはまだまだ検証されていません。
寒くて身体の末端が冷えて血流が悪くなろうとも、脳で体温が設定されているので、妊娠中も赤ちゃんへの血流は保たれ、栄養も酸素も送り続けることができます。
「冷やさないこと」と「とにかく温めること」の違い
本人は暑いのにもかかわらず、「冷やすと良くないから」と年中レッグウォーマーを着けて汗をかいている妊婦さんを見かけることがあります。
冷えが、妊娠中のトラブルに直接関係があるかどうかはわかっていません。そのため、「冷やさないようにとにかく温めることは良いことだ」とか「カラダを冷やすといわれる食べ物は口にしてはいけない」といった偏った考え方でストイックな生活をつづける必要はありません。
また東洋医学と西洋医学は対立するものではなく、一人ひとりの状態に応じて組み合わせて取り入れる「統合医療」の観点から、セルフケアに取り入れてみるのは良いでしょう。
事実、「冷える」ことを自覚しているのにも関わらず放置していることは、快適とはいえません。環境によるストレスをうけ、自律神経への影響で交感神経がはたらき、カラダが緊張状態になります。
それは、簡単に言えばストレスを受けている状態であり、リラックスとは逆の状態ということです。
つまり、快適に過ごせるように体温管理をすることは、妊婦さんに限らず基本的な体調管理として必要なセルフケアです。
当然のことですが、寒ければそれを放置せずに室温調整や衣類の調整をする、暑ければ室温調整や衣類の調整を心がけて快適に過ごすことができていますか?自分のカラダの変化、体温や冷えに気がついて対応することができるようになると、赤ちゃんが産まれた後、赤ちゃんのお世話にも生かすことができますね。
<執筆者プロフィール>
座波 朝香(ざは・あさか)
助産師・保健師・看護師。大手病院産婦人科勤務を経て、株式会社とらうべ社員。育児相談や妊婦・産婦指導に精通
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
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