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執筆:青井 梨花(助産師・看護師)
医療監修:株式会社とらうべ
一般に「虚弱体質」というと、字のごとく「身体が弱くて疲れやすい」とか「身体が弱く体調を崩しやすい」といったことを指す場合が多いですね。
このような状態に対し、身体の臓器ごとにアプローチする現代医学では、検査結果に問題がない場合、はっきりとした病名がつけにくく、患者が多種多様な症状を訴えていても、効果的な治療法が見つからないこともあるようです。
一方、東洋医学には、体質や環境などの複数の要因を総合的にとらえて症状へアプローチする考え方があるといわれています。
そこで今回は、とくに東洋医学(漢方)的な側面から、虚弱体質についてみてみましょう。
虚弱体質とは?
東洋医学外来で行われた調査研究(※1)によると、成人で虚弱体質を訴える方の症状には、疲れやすい・冷え・肩や首のコリ・胃腸の調子を崩しやすい・睡眠が良好ではない等々の傾向はあるものの、訴える症状はじつに多彩で、また、個々の特性も加わってさまざまな症状を形成している、と報告しています。
また、消化器の専門医で、東洋医学にも精通しているある医師(※2)は、下記のようないくつかの条件が重なることで、虚弱体質というものがつくられるのではないか、という考えを示しています。
・胃腸が弱く、便秘や下痢を起こしやすい
・呼吸器が弱く、風邪などひきやすい
・心臓血管系が弱く、いつも青白い顔をしていて、貧血になりやすい
・精神的に虚弱
・骨や筋肉が細い
また、「体質」というと一般的に先天的に生まれ持ったものとか、遺伝によって受け継がれた「素質」と捉えがちですが、必ずしもそれだけではありません。
後天的なこと、すなわち生まれてからその後の環境や生活習慣なども影響し、要因になると考えられているといいます。
※1:https://www.jstage.jst.go.jp/article/kampomed/60/3/60_3_371/_pdf 「虚弱者に多い自覚症状」日東医誌
※2:http://shohei-clinic.com/kanpo03-7.html 昌平クリニックHPより(健康雑誌「ゆほびか」)
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