(※記事中の語句のリンクは、その語句について詳しく解説したMocosuku姉妹サイトが開きます)
執筆:山本 ともよ(管理栄養士・サプリメントアドバイザー・食生活アドバイザー)
医療監修:株式会社とらうべ
平成27年度の国民健康・栄養調査によると、男性の3割、女性の2割が肥満に該当します。
肥満というと、「なんとなく良くない」と思う方も少なくないでしょう。
しかし単なる肥満とは違い、「肥満症」には健康を害するリスクがあることをご存じでしょうか?
「太っている」とはどういうことなのか、肥満症のリスクや予防法とあわせて紹介します。
肥満と肥満症の違い
「肥満」は脂肪が多い状態で、病気ではありません。肥満であるかどうかは体脂肪量によって決まります。
実際には、体脂肪量を正しく測る簡単な方法がないため、指標としてBMI(体格指数)が広く用いられています。
日本では、日本肥満学会が定義した基準で、BMI25以上を肥満としています。
一方で肥満症とは、肥満に起因、関連する健康障害を有する場合、もしくは、そうした健康障害を起こすリスクの高い内臓脂肪が過剰に蓄積した場合で、減量による治療を必要とする状態を言います。
具体的には、次の状態を指します。
「肥満に起因、関連する健康障害を有する場合」とは
糖尿病、耐糖能障害、脂質異常症、高血圧、高尿酸血症・痛風、冠動脈疾患、脳梗塞、脂肪肝、月経異常及び妊娠合併症、睡眠時無呼吸症候群、整形外科的疾患、肥満関連腎臓病など。
「内臓脂肪が過剰に蓄積した場合」とは
腹部CTにより測定した内臓脂肪面積が100㎠以上の内臓脂肪型肥満。
しかし、CT検査は気軽にできる検査ではないため、まずスクリーニングとして、へそまわり(腹囲)を測定します。
その結果、男性85cm以上、女性90cm以上のときに内臓脂肪型肥満が疑われ、腹部CTスキャンによる確定診断が行われます。
先に述べたように、肥満は病気ではありません。一方、肥満症は病気であり、治療が必要とされます。
スポンサーリンク