ただの肥満ではない、治療が必要な「肥満症」について

Mocosuku(もこすく)
  • ただの肥満ではない、治療が必要な「肥満症」について

  • Mocosuku(もこすく)
医療資格者や専門家だけの記事を配信

ただの肥満ではない、治療が必要な「肥満症」について

公開日時

肥満症の治療法

 
実は、病気が原因で肥満が起こることもあります。これを「二次性肥満」と呼びます。
 
クッシング症候群などの内分泌性肥満、薬物使用による薬剤性肥満、視床下部の腫瘍などによる視床下部性肥満、遺伝性疾患に伴う遺伝性肥満などがあります。二次性肥満の場合は、もとの病気を治療することが優先されます。
 
一方、二次性肥満の疑いがない場合には、まずは減量に取り組むことになります。

 
日本で減量による治療を行う場合は、食事療法や運動療法によって生活習慣の改善を図ります。
 
海外では薬物療法や外科的療法も行われていますが、日本ではこれらの治療法はほとんど用いられていません。では、具体的にどのように食事療法や運動療法を行うのでしょうか。

 
 

減量による治療:食事療法と運動療法

 
減量をするためには、摂取エネルギーが消費エネルギーを下回ることが必要です。
 
このような状態になると、身体は不足しているエネルギーを過剰な脂肪を燃やすことで補おうとします。その結果、減量につながります。
 
食事療法では、エネルギーを適正な量に抑え、脂肪が燃えやすいように炭水化物・たんぱく質・脂質・ビタミン・ミネラルをそろえるよう心がけます。
 
また、極端に食事を減らしてしまうと、身体は生命を守ろうとエコモードになり、エネルギーを消費しないようになります。エネルギーを消費しないということは、食事を減らしても体重が減らない状態に陥るということです。
 
これが、停滞期です。
 
このような極端な減量は、リバウンドにもつながります。そこで、適度な食事制限をしながら、運動を行うことが重要になります。
 
食事や運動などの生活習慣の改善は、自分で取り組める身近なものです。
 
けれど、「肥満症」と診断され、治療として減量を行う場合には、主治医の指示に従う必要があります。
 
無理な食事制限や過度な運動は、併せ持つ病気を悪化させてしまうことがあり、自己流で行うことは危険をともないます。
 
 

スポンサーリンク

先週よく読まれた記事

ヨガはどうしてカラダに良いの? 医学的に掘り下げてみよう

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 昨今のヨガブームにより、趣味としてヨガを楽しまれている方も多いのではないでしょうか。 「なんとなく健康に良さそう」というイメージの強いヨ...

不眠症ならぬ「過眠症」をご存じですか? 症状や原因とは

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ あなたは自分の睡眠に満足していますか? 睡眠の悩みと聞くと、多くの方が思い浮かべるのは「不眠症」でしょう。 しかし、「過眠症」で悩んでい...

朝起きたら首が… やっかいな「寝違え」の原因と治し方

執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師) 医療監修:株式会社とらうべ 「朝起きたら首が痛い・・・寝違えたかも!?」 このような経験、どなたも一度はあるでしょう。 そもそも寝違えはどうして...

冷え対策に、「温活」をはじめよう!

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 婚活、妊活、終活など、最近は「〇活」というコトバがよく使われています。 「温活」もそのうちのひとつで、今や書籍やインターネットなどあちこ...

「失神」と「睡眠」の違い どこに注目すればいい?

執筆:南部 洋子(看護師) 監修:坂本 忍(医師、公認スポーツドクター、日本オリンピック委員会強化スタッフ) 「失神」と「睡眠」の違い、見た目ではなにがどう違うのか、わかりませんよね。 例えば、飲み会...

つった! 寝ていたら足がつるのはどうして?対処法は?

執筆:山村 真子(看護師・西東京糖尿病療養指導士) 夜寝ている時、突然足がつってしまい、激痛で目が覚めた! そんな経験をされた方、いらっしゃいませんか? 突然起こる足のつり。どうしてこのようなことが起...

働く人に増えている「適応障害」 原因となる3つのパターン

執筆:山本 恵一(メンタルヘルスライター) 医療監修:株式会社とらうべ 環境にうまくなじめないことから、落ち込んだり、意欲や自信を喪失したり、イライラして怒りっぽくなったり、体調面が悪くなったり、場合...

【健康と病気】新着記事

かかりつけ薬局とは違う『健康サポート薬局』 知らなきゃもったいない!!

かかりつけ薬局とは違う『健康サポート薬局』 知らなきゃもったいない!!

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 近年、薬や薬局にまつわる制度が大きく変化しています。 2016年4月からスタートした「かかりつけ薬剤師制度」では、“患者のための薬局”...

2019/07/26 18:30掲載

『苦くてまずい』はもう古い?実は栄養満点の気になる野菜『ケール』とは

『苦くてまずい』はもう古い?実は栄養満点の気になる野菜『ケール』とは

執筆:磯野 梨江(管理栄養士) 医療監修:株式会社とらうべ ケールと聞いて青汁を連想される方も多いのではないでしょうか? なんとなく苦くて不味いイメージが強いですが、ケールには現代人に不足しがちな栄...

2019/07/23 18:30掲載

頭皮がたるむと顔もたるむ?  頭皮の老化と顔のカンケイ

頭皮がたるむと顔もたるむ? 頭皮の老化と顔のカンケイ

執筆:藤尾 薫子(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 『フェイスラインがぼやけてきた』『ほうれい線のハの字型が目立ってきた』『口角が下がってきた』… いずれも顔のたるみを痛感する憂鬱な現象...

2019/07/19 18:30掲載

自律神経に良い『トリプトファン』を効果的に摂取してハッピー♪になろう

自律神経に良い『トリプトファン』を効果的に摂取してハッピー♪になろう

執筆:磯野 梨江(管理栄養士) 医療監修:株式会社とらうべ 「トリプトファン」はアミノ酸の一種です。 トリプトファンが不足すると精神的に不安定な状態や不眠などを招き、やがて自律神経や体内リズムの乱れ...

2019/07/16 18:30掲載

フルーツはいつ食べる? 『朝は金、昼は銀、夜は銅』ってどういうこと?

フルーツはいつ食べる? 『朝は金、昼は銀、夜は銅』ってどういうこと?

執筆:山本 ともよ(管理栄養士・サプリメントアドバイザー・食生活アドバイザー) 医療監修:株式会社とらうべ フルーツは健康や美容によい栄養素を摂取できる食品として、私たちの食生活に浸透しています。 ...

2019/07/12 18:30掲載

お口の中の細菌は万病のもと 『口腔内フローラ』の重要性を説く!

お口の中の細菌は万病のもと 『口腔内フローラ』の重要性を説く!

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 腸内細菌が形成する「腸内フローラ」はすでによく知られるようになりましたが、お口の中の「口腔内フローラ」についてはいかがでしょうか? 「...

2019/07/02 18:30掲載