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男性の乳がん:種類
男性の乳房は、女性に比べて乳腺組織が発達しておらず、また、皮下組織も少ないという特徴があります。
そのため、皮膚や筋膜(筋肉や内臓を包む膜のこと)にがんが拡がりやすく、女性よりも少し進行した状態で発見されるケースが多いといわれています。
また、男性の乳がんも次の種類に分けられます。
浸潤性乳管がん
がんが乳房の中にある乳管(乳汁を乳頭まで運ぶ管)の壁の細胞層に発生・増殖し、拡がっていくタイプで、男性の乳がんの多くが浸潤性乳管がんといわれています。
女性と同様、しこりができます。
非浸潤性乳管がん
がんが乳管の壁の細胞に異常な細胞が発生するが、乳管内におさまっているタイプ。
このほかにも、ごく稀ですが、「炎症性乳がん」や「乳頭のパジェット病」という種類があります。
炎症性乳がんは、がん細胞が皮膚のリンパ管に詰まってしまい、発赤や熱感などの症状が現れるがんです。
また、乳頭のパジェット病は、乳頭の下にある乳管にがんが発生し、乳頭の表面上までがん細胞の増殖が拡がるがんです。
男性が乳がんを発症するのはなぜ?
ところで、女性の乳がんでは、女性ホルモンのひとつである「エストロゲン」の影響が発症に関係しているといわれています。
では、男性の場合はどうなのでしょうか?
男性の乳がんのリスク因子として、次のことが挙げられます。
その1:放射線被ばく
男女問わず、放射線への被ばくが乳がんの発症リスクに影響を与えていることが分かっています。
低線量被ばく(100ミリシーベルト未満)と乳がん発症の関連性についてはまだ確定的なことはわかっていませんが、100ミリシーベルト以上の被ばく(例:原爆による被ばく)や、放射線治療・X線検査などによる医療被ばくと乳がんの発症には関係があることが指摘されています(※3)。
その2:エストロゲンが増える病気
男性にもエストロゲンが分泌されています。
女性よりも分泌量が少ないため、乳がん発症のリスクは低いのですが、男性でも病気が原因でエストロゲンの量が増えてしまうことがあります。
たとえば、肝硬変などの肝臓疾患。肝臓にはエストロゲンを分解する働きがあるため、肝機能が低下してしまうと、エストロゲンが分解されずに量が増え、乳がん発症のリスクとなります。
また、クラインフェルター症候群などの遺伝性疾患でもエストロゲンが増加し、乳がんを発症することがあります。
その3:乳がんにかかった家族がいること
乳がんの発症に関係がある突然変異遺伝子があると、発症のリスクが高くなります。
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