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円形脱毛症のタイプ
『日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドライン 2010』(※)では、円形脱毛症のタイプが次のように分けられています。
その1:通常型円形脱毛症
単発型と多発型にわけられる
・単発型
脱毛斑が単発のもの
・多発型
複数の脱毛斑を認めるもの
その2:全頭脱毛症
脱毛巣が全頭部に拡大したもの
その3:汎発性脱毛症
脱毛が全身に拡大するもの
その4:蛇行状脱毛症
頭髪の生え際が帯状に脱毛するもの
(※引用元:『日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドライン 2010』 https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/1372913324_2.pdf)
円形脱毛症の原因
これまで円形脱毛症は、ストレスが原因と考えられてきました。
ストレスによって働きが活発化した交感神経(自律神経のひとつ)が血管を収縮させ、毛根へ必要な栄養を運べなくなると考えられていたのです。
しかし、研究が進み、最近では毛を取り囲んでいる「毛包組織(もうほうそしき)」の自己免疫疾患と考えられるようになりました。
自己免疫疾患とは、本来身体を守るはずの免疫システムに異常が起こり、自分の身体を攻撃してしまう病気のことをいいます。円形脱毛症も、感染症の発症や疲れによる身体的・精神的なストレスがきっかけとなって、自己免疫反応が起こり、脱毛が起きるのではないかと考えられているのです。
また、円形脱毛症の患者の中には、甲状腺の病気(橋本病など)や関節リウマチといったほかの自己免疫疾患を合併している方が多くみられます。
このことも、自己免疫疾患が原因と考えられる理由です。
このように、現在ではストレスは円形脱毛症を発症させる誘因と考えられるようになってきています。
ただ、きっかけとなるような出来事がなくても発症するケースもあり、確定的な原因と言い切れないのもまた現状です。
このほか、女性の場合、出産後に円形脱毛症を発症する人もいることから、女性ホルモンとの関係も指摘されています。
また、円形脱毛症は、アトピー素因との関係も指摘されています。
これまでの研究で、円形脱毛症が重症な人ほど、アトピー素因を合併している確率が高いことがわかっています。
さらに、欧米で行われた調査によると、一親等内に円形脱毛症患者がいる場合の発症の確率は、それ以外の人に比べて10倍も高いことがわかっていて、遺伝的な要因の関連性も指摘されています。
ただ、日本では遺伝との相関関係などが示された研究はなく、今後の研究が待たれます。
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