(※記事中の語句のリンクは、その語句について詳しく解説したMocosuku姉妹サイトが開きます)
円形脱毛症は治るのか
円形脱毛症が治るかどうかは、既往歴や脱毛が続いている期間によって異なります。
たとえば、アトピー性疾患や自己免疫疾患の既往歴がない場合で、それぞれの脱毛斑ができている期間が1年以内、かつ通常型円形脱毛症の場合は、およそ80%の人が1年以内に治癒したというデータがあります。
このように、脱毛班が少ない場合や、罹患期間が短い場合には、特別な治療をしなくても、自然に治ることがあります。
一方、脱毛班ができている期間が長期(3年)におよぶ場合や、自己免疫疾患などがある場合は、治癒する可能性は低いといわれています。
また、脱毛面積が広い場合(頭部の50%以上)や、小児で発症した場合には、回復率は低くなるといわれています。
このような場合には、年齢や状態に合わせた治療を行ったり、ウィッグが必要になることもあります。
円形脱毛症の治療法
円形脱毛症の治療は、年齢や脱毛している部分の面積など、患者個人の状況に合わせて治療法が選択されます。
一般的な治療法としては、ステロイドの局所注射や塗り薬が処方されます。
脱毛している部分が全身にひろがっている場合には、ステロイド内服薬が必要になることもあります。
また「局所免疫療法」という治療が行われることもあります。
局所免疫療法とは、「SADBE」や「DPCP」といった専用の薬を希釈し、それを脱毛部位に塗ることで、あえて皮膚をかぶらせ、発毛を促す方法です。
どの方法で治療を行うのかは、患者の症状だけでなく、治療によって現れる効果や副作用も踏まえて決められます。
そのため、治療中になにか症状が現れたり、困ったことがある場合には、主治医に相談するようにしましょう。
円形脱毛症は、性別や年齢に関係なく発症する病気です。
そのため、とくに若いうちに発症した場合は精神的にも大きなストレスを抱えることになります。
患者さんのストレスを軽減するためには、今後、より一層研究が進められることが求められますが、同時に円形脱毛症に対する世間の理解が広まることも必要といえるでしょう。
<執筆者プロフィール>
吉村 佑奈(よしむら・ゆうな)
保健師・看護師。株式会社 とらうべ 社員。某病院での看護業務を経て、現在は産業保健(働く人の健康管理)を担当
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
スポンサーリンク