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執筆:山本 恵一(メンタルヘルスライター)
医療監修:株式会社とらうべ
巷では以前から「血液型O型は蚊に刺されやすい」という説があるそうです。
これは科学的な事実なのでしょうか、それともガセネタの類なのでしょうか?
今回は、この「血液型O型は蚊に刺されやすい」という説の真偽を、血液型と病気の関係を研究している「血液型病気学」の知見とあわせてご紹介したいと思います。
血液型への3つのアプローチ
長浜バイオ大学教授永田宏医学博士によると、血液型には3つのアプローチがあるとのこと。
一つは、医学的な「血液学」。純粋な自然科学です。
次に「血液型性格診断」。
これはご承知のように、性格心理学会などで科学的根拠のないことが科学的に実証されています。
いってみれば、占いのようなものといえるでしょう。そして最後に、正式な専門用語ではありませんが、血液型と病気との関連を、疫学的(疫学とは、人間集団を対象に病気の動向や原因を究明する医学の一分野)な方法などによって実証していく「血液型病気学」。
ただし、地味な研究分野ということもあって、華々しい知見は多くないようです。
永田博士によると、科学雑誌「ネイチャー」は血液型病気学の20世紀までの成果を、「血液型は分かりやすい遺伝的指標だから、これを体質や病気と関連づけようとする膨大な研究が行われてきました。しかし分かったことは、非O型がO型と比べてほんの少し、胃がんにかかりやすいことと、O型がやや胃潰瘍にかかりやすいということだけだった」(永田訳)と総評しています。
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