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O型はコレラに弱い!?
マラリアに強いO型は感染症に対して無敵な血液型かというと、血液型病気学は「そうではない」と述べています。
たとえば、南アジアや東南アジアではO型に次いで、B型の比率が多くなっています。
インドではO型:37%、B型:33%、ベトナムはだとO型:42%、B型:30%のように、です。
またアマゾン川流域などではO型:100%というところもあります。
なぜ同じマラリア汚染地域のインド(南アジア)やベトナム(東南アジア)で、重症化しやすいB型の比率が高いのかについては、O型はマラリアには強いけれどコレラに弱く、これらの地域ではコレラに淘汰されてO型の比率が下がっているのではないかと、仮説がたてられています。
血液型と病気の関係
ほかにも、血液型病気学的研究として、たとえば、O型はすい臓がんになりやすい、消化器潰瘍になりやすい、ピロリ菌はO型がお好き、A型は血栓ができやすいなどなど、興味深い見解が提起されています。
とはいえ、これらはおもに疫学的な調査研究によって見出された結論です。
ですから、たとえば「遺伝学や免疫学などの立場からもっと厳密に、血液型と病気の関係性を明らかにしていく」といった、今後の課題を自らに設定して、目下のところ未成熟な自然科学だと自己規定されているように見受けられます。
【参考】
永田宏『血液型で分かる なりやすい病気 なりにくい病気』懇談者ブルーバックス、2013
<執筆者プロフィール>
山本 恵一(やまもと・よしかず)
メンタルヘルスライター。立教大学大学院卒、元東京国際大学心理学教授。保健・衛生コンサルタントや妊娠・育児コンサルタント、企業・医療機関向けヘルスケアサービスなどを提供する株式会社とらうべ副社長
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
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