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低血圧症とは
低血圧であっても何も症状が現れない人もいますが、中には何らかの症状が現れる人もいます。
この場合を「低血圧症」といいます。低血圧症は大きく次の3つに分けられます。
本態性低血圧
つねに血圧が低い状態であるが、きっかけとなる病気がないタイプ。
立ちくらみやめまい、倦怠感などの症状が現れます。
本態性低血圧は遺伝が原因のこともあるため、別名を「体質性低血圧」といいます。
起立性低血圧
急に立ち上がったり、身体を起こしてから3分以内に収縮期血圧が20mmHg以上、拡張期血圧が10mm以上下がるもの、あるいは収縮期血圧が90mmHg以下になるものを起立性低血圧といいます。
ヒトは本来、身体を起したときでも充分な血流が上半身に届くように、自律神経が調節をしています。
ところが、この自律神経が何らかの異常をきたすと、その役割を果たせなくなり、脳への血液量が少なくなってしまいます。その結果、立ち上がったときや身体を起したときに、立ちくらみやめまいなどの症状が現れると考えられています。
また、動脈硬化が進んだ高齢者が起立性低血圧を起こすと、脳梗塞や心筋梗塞のきっかけになることがあります。
起立性低血圧はさらに2つに分類され、原因となる病気がない場合を「起立性本態性低血圧」、病気が原因で起こる場合を「起立性症候性低血圧」といいます。
症候性低血圧
病気が原因で低血圧になっているタイプ。心筋梗塞や狭心症、出血や脱水など循環血液量の減少、降圧剤などの影響による薬剤性のものなどが原因となります。
症候性低血圧の中には、頭部や全身の血流が悪い場合があり、それによって頭痛やめまい、不整脈、発汗や冷えなどが現れることがあります。
「低血圧は朝に弱い」のは自律神経が原因
「低血圧のせいで朝に弱い」という場合、原因として考えられるのは自律神経による影響です。
自律神経には、ヒトの意思と関係なく、身体のさまざまな機能を調節する働きが備わっていて、血圧も自律神経によってコントロールされています。
血圧は活動時に優位になる交感神経の働きによって上昇し、反対にリラックス時・睡眠時に優位になる副交感神経の働きによって下降します。通常、交感神経は日中に優位になるため、血圧も日中の活動とともに上昇します。
しかし、低血圧症の人は、自律神経の働きが充分でないことがあり、朝、目覚めても交感神経が優位にならず、なかなか身体が活動モードに切り替わらないことがあります。
その結果、血圧も上昇せず、めまいや立ちくらみなどが起こり、いわゆる「朝に弱い」状態に陥ると考えられます。
「朝に弱い」という状態は、先ほど挙げた低血圧症のどのタイプでも起こりうる症状です。
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