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屈折異常と視力の関係
角膜や水晶体を通って入ってきた光が網膜できちんと焦点が合う状態を「正視」といいます。いわゆる「目が良い=視力が良い」とは、この正視の状態を指します。
一方、遠くから入ってきた光が網膜ではなく、その手前や奥で焦点が合う状態や焦点が1か所に定まらない状態は、「屈折異常」と呼ばれ、いわゆる「目が悪い=視力が低下した」状態といえます。
屈折異常には、次のような種類があります。
遠視
光の焦点が網膜よりも後ろで結んでしまいます。遠くも近くもはっきりと見えない状態です。
近視
光の焦点が網膜よりも前で結んでしまいます。近くははっきりと見えるのに対し、遠くは見えにくくなります。
乱視
角膜や水晶体のゆがみによって、焦点が1か所に定まらずにぼやけてみえる状態です。
では、なぜこのような屈折異常による視力低下が起きてしまうのでしょうか?
視力低下の要因
視力低下の要因として、病気によるものや遺伝によるものが挙げられます。ただし、屈折異常が原因で視力低下が起きている場合は、生活習慣が関係している可能性が大いにあります。
中でも、次のような生活習慣は視力低下に影響を与えるといわれています。
・机に向かって読み書きをするさい、机やいすの高さが合っていない
・パソコンやテレビ、スマホ、読書などを長時間続けている
・暗いところで作業をする
これらの生活習慣が視力低下を招く理由、それは眼精疲労です。
たとえば、机やいすの高さが合っていないと、モノを見るために自然と身体が前のめりになって、モノと目の距離が近くなります。最初にお話ししたように、モノを近くで見るということは、毛様体筋が収縮して、目の周りの筋肉が緊張するため、眼精疲労を感じやすくなります。
また、長時間モノを見続けていれば、それだけ眼精疲労はたまりやすくなります。
中でも、パソコンやテレビ、スマホ、読書などをしている間は、ついつい熱中して休憩をとることを忘れてしまいがちです。そのため、知らずしらずに眼精疲労がたまってしまうのです。
さらに、暗い場所は明るいところよりもピントが合いにくいため、より目を酷使することになって、眼精疲労を招きます。
また、光を放つパソコンやテレビ、スマホなどを暗い場所で見ていると、他のモノが見えないことから、より一層光っているものにばかり注目してしまい、視野が狭くなります。このような状態は近視や乱視が進む原因となります。
眼精疲労は一時的な視力低下を招きます。
これはいわゆる「仮性近視」と呼ばれるもので、休憩をとったり、目や首のまわりを温めるなど、目を休ませることで回復します。
ところが、このような眼精疲労を放っておいてしまうと、近視の状態が当たり前となり、最終的に近視や視力低下の常態化を引き起こしてしまうのです。
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