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執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師)
医療監修:株式会社とらうべ
「救急車がタクシー代わりに使われている」という社会問題について、耳にしたことのある方は多いでしょう。
一方で、「具合が悪いけれど、救急車を呼ぶべきかわからない」と我慢した経験をお持ちの方もいるかもしれません。
今回は、救急車を呼ぶ基準について、ご説明したいと思います。
救急車利用の実態
総務省消防庁(以下、消防庁)の「平成28年版 救急救助の現況」によると、平成27年の救急車の出等件数は605万4815件、搬送人数は547万8370人にのぼり、出動件数、搬送人数ともに過去最高を記録しました。
同書において、救急車は「1日平均6589件、5.2秒に1回の割合で出動している」と報告されています。
また、救急車の搬送人数を傷病程度別に分析すると、「死亡(1.4%)」、「重症(8.5%)」、「中等症(40.5%)」であるのに対し、「軽症」は49.8%という結果でした。
「軽症」の割合は年々少しずつ減少傾向とは言え、まだ半数近い人が軽症で救急車を呼んでおり、中には本来救急車を呼ぶべきではないケースも含まれているといわれています。
さらに、この結果を年齢別にみると、「軽症」の割合は「乳幼児」「少年」「成人」で高く、中でも「乳幼児」と「少年」は7割を超えていることが判明しました。
また、人口規模ごとの比較では、大都市の方が高いことも明らかになりました。
このように本来必要としていない人までが救急車を呼んでしまう要因として、そもそも救急車を呼ぶ基準がわからない、ということも考えられます。
それでは、救急車はどんなときに呼べばよいのでしょうか?
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