(※記事中の語句のリンクは、その語句について詳しく解説したMocosuku姉妹サイトが開きます)
アニサキス症の治療
激しい腹痛などをともなうため、医療機関を受診することになりますが、今のところ幼虫に対する効果的な駆虫薬は開発されていません。
治療法に関しては、胃アニサキス症の場合、胃内視鏡で虫体を探して摘出する手術が一般的です。
一方、腸アニサキス症は、胃と違って内視鏡で取り除く方法が困難ですので、対症療法で様子を見ます。
症状が悪化すると外科的処置として開腹手術が施されます。
アニサキス食中毒を予防する
アニサキスによる食中毒を防ぐには、とくに内臓など寄生している可能性がある部位を取り除くか、中心部まで70度以上で加熱する、あるいは、マイナス20度以下で24時間以上中心部まで完全に冷凍するよう注意喚起されています。
また、厚生労働省は消費者に対して次のような注意を行っています。
新鮮な魚を選んで購入する
丸ごと一尾で購入した際は速やかに内臓を取り除く
内臓を生で食べない
目視で確認して、アニサキス幼虫を除去する
一般的な料理で使う食酢での処理(シメサバなど)、塩漬け、醤油やワサビをつけてもアニサキス幼虫は死滅しない
これらの注意喚起は消費者に限らず、生鮮魚介類を取り扱う事業者も同様です。
以下は事業者向けのリーフレット(※)です。一般の消費者にも参考になる内容です。
※厚生労働省『アニサキスによる食中毒を予防しましょう』(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-)Shokuhinanzenbu/0000171143.pdf
食中毒は、事業者と消費者がともに注意して予防を心がけ回避しなければなりません。
とくに日本は、新鮮な魚を生の刺身や寿司にする、あるいはたたきや酢締めなど半生に調理する、といった食文化が根付いています。
魚介類の生食が原因となる寄生虫症のなかで、アニサキス症が日本で最も多いゆえんでしょう。
身近な食べ物だけに、くれぐれも気をつけてください。
<執筆者プロフィール>
山本 ともよ(やまもと・ともよ)
管理栄養士・サプリメントアドバイザー・食生活アドバイザー。
株式会社 とらうべ 社員。企業で働く人の食と健康指導。糖尿病など疾病をもった人の食生活指導など活動中
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
スポンサーリンク