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執筆:井上 愛子(保健師)
「アレルギー」は、身体の免疫機能が誤作動を起こしてしまう疾患です。免疫細胞は、ウイルスや細菌などの病原体が身体に侵入してくると、これを攻撃します。ところが、アレルギーは、害のない異物に免疫細胞が過剰反応して、鼻水やじんましん、かゆみや下痢、ひどい場合には、アナフィラキシーショックと呼ばれる、呼吸困難やショック状態などの症状を起こしてしまうのです。
そして、いま流行中の「花粉症」も、アレルギー疾患のひとつです。
今回は、アレルギー反応を起こすアレルゲンの種類と、アレルゲンがアレルギー反応をひき起こすプロセスを説明します。
アレルギー反応 : さまざまな物質がアレルゲンになり得る
アレルギー症状を引き起こす異物のことを、「アレルゲン」と呼びます。これらの物質に触れても、 アレルギー反応 を起こす人と起こさない人がいます。代表的なアレルゲンとして、次のようなものがあります。
呼吸で吸い込むもの
草木の花粉、ハウスダスト、カビの胞子、ペットのフケなど
体内に直接入るもの
注射で体内に入る薬(予防接種のワクチンなど)、ハチの毒など
口から摂取するもの
食物アレルギーの三大原因は、卵、小麦、牛乳と言われています。そばやエビ・カニ、サバなどの青魚、ピーナッツのアレルギーもよく見られます。また、メロン、りんご、マンゴーやキウイなどが果物アレルゲンとしてよく知られています。
皮膚に触れるもの
アクセサリーや歯科治療に使われる被せ物などの金属。ニッケル、コバルト、クロム、水銀などの金属がアレルゲンになりやすいとされています。そのほか、ペットの毛や羽、唾液などに触れてアレルギーを起こす人もいます。
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