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お互いがそれぞれの疾患に影響する可能性が高いといわれている「うつ」と「アルコール依存」。
このシリーズでは、実話をもとに「うつ」と「アルコール依存」を全15回に分けてご紹介します。それらが原因で家庭内に起こるケースも多いDVやモラハラ、共依存といった問題について掘り下げていきます。
(前回からの続き)
「うつ状態」に悩むSさん(仮名・当時32歳)は、精神科の受診に抵抗があることから、旧知の耳鼻咽喉科の医師に自分の症状を相談し、数種類の向精神薬を処方されました。しかし、お酒を飲んだ後でこうした薬を服用するなど、Sさんの薬の飲み方にはかなり問題がありました。Sさんは、飲酒時には記憶を頻繁に失くすようになり、精神状態もますます不安定になっていきました。
外出中にいきなり泣きだす
ある日、たまには外で食事でもして気分転換をしようと、Sさんの妻がSさんを外に連れ出しました。しかし、家を出て数分とたたないうちに、Sさんは「俺がいるからみんなが迷惑している」などといって自分を責めはじめ、やがて路上で声をあげて泣きだしてしまいました。
結局、その日は食事をせずに家に戻ったのですが、このことをきっかけにSさんの妻は、処方された向精神薬が「Sさんに合っていないのではないか?」と考えるようになったといいます。
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