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執筆者:座波朝香(保健師)
監修医:坂本忍
日本人は、欧米人に比べると入浴の習慣があります。お風呂に入ると気持ちがよいので、「身体に良さそう」と感じる人も多いのではないでしょうか。実際、お風呂の効果を得るには、いつ入るのが良いのでしょうか。
夜風呂のメリット:睡眠の質を良くする
夜に入浴してリラックスすると、よく眠れるということを実感している方も多いと思いますが、このとき身体では、どのようなことが起こっているのでしょうか。実は、科学的に明らかになっていることがあります。
眠気は、体温(ここでは深部体温※のこと)の変化によって起きています。人間は、昼間活動し、夜間は眠る動物です。そのため人間の身体には、日中体温が上がり、夜下がるという仕組みが備わっています。
体温が下がるとき、眠気が起こることがわかっています。とくに、皮膚の温度が上がると、体温がスムースに下がって、眠気が起きます。そのため、皮膚の温度を効率良く上げることができるお風呂に入ると、スムースに体温を下げることができ、眠気が誘われるのではないかと言われています。
冷え性の人は、昼間も夜も手足が冷たいので、布団にもぐりこむだけでは身体が温まりにくく、結果として寝つくまでに時間がかかってしまいます。就寝前に入浴をすることで、睡眠までの時間が短くなったり、また足だけ温める足浴によっても、「睡眠の質が良くなったと自覚するようになった」という研究結果があります。
入浴する時間帯は、眠る直前より、就寝したい時間の2時間前くらいが良いでしょう。遅くとも、就寝30分前にはお風呂を済ませましょう。
※深部体温:身体の中心部の体温。一方、表面の体温のことを皮膚温度という。深部体温を上げようとするとき、皮膚温度が下がって熱を閉じ込め、反対に、深部体温を下げようとするときには皮膚温度を上げて熱を放出する。
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