(※記事中の語句のリンクは、その語句について詳しく解説したMocosuku姉妹サイトが開きます)
執筆:Mocosuku編集部
監修:太田 郁子(医学博士)
「避妊具」と聞くと、真っ先にコンドームを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?
なかには避妊は男性がするものだと思い込んでいる女性もいるでしょう。避妊することは、男性だけでなく女性にもできます。
また、年齢やライフステージによっても適した避妊法は変わってくるでしょう。ここでは女性用の避妊具についてご紹介していきます。
知っているようで知らない「女性用避妊具」
避妊具のなかでも使用されることの多い「コンドーム」。コンドームは男性の性器にかぶせることで、精液をなかに溜めて膣内に流れるのを防ぐ役割をしています。
正しく使用すれば避妊率は高く、性感染症のリスクも防ぐため使っている人も多いでしょう。それでは女性が使用するものではどのような避妊方法、また避妊具があるのでしょうか?
ピル
女性が用いる避妊法として多いのがピルの使用です。ピルは「経口避妊薬」と言い、飲むことで妊娠を避けることができます。
ピルには生理痛や子宮内膜症などの疾患を軽減する効果があり、毎日飲み続ける必要のある「低用量ピル」と、避妊しなかった場合の緊急避妊法として2~3日服用する必要のある「アフターピル」の2種類があります。
低用量ピルには排卵を抑える役割があるため、避妊率が高いです。
また、生理不順や生理痛の治療として使われることもあり、避妊だけでなく自身の身体のために使う女性が多いのも特徴です。市販薬がないため婦人科で処方してもらう必要があり、1か月あたり3000~5000円が相場です。
子宮内避妊用具
毎日飲み続けるのが面倒な人や、長期に渡って避妊をしたい人は子宮内に装着する避妊用具を使用することもできます。これは「IUD」と呼ばれるものと、「IUS」と呼ばれるものがあります。
IUDは子宮内に装着することで避妊の効果を得ることができる用具です。子宮内部に挿入し、避妊したい間ずっと器具を入れておきます。最長で5年ほどもつことができるため、長期間妊娠を希望しない人には最適でしょう。
しかし副作用として過多月経になったり生理痛がひどくなったりする場合があります。だいたい3~5万円が相場です。
最近では、IUDに黄体ホルモンを放出する器具のついたIUSという新しい避妊用具が出ています。IUSは、IUDと同じように子宮内に装着して使います。長期にわたって避妊ができるのに加え、低用量ピルと同じように生理痛や過多月経を軽減することができます。
IUDの副作用に悩んでいる人はIUSを使うといいでしょう。とはいえ、出産経験のない女性や子宮や卵巣に問題がある人はIUDもIUSも適さない可能性があります。
避妊は男性だけがするものではありません。女性も避妊法や避妊具の種類、やり方を知り妊娠のリスクを防ぐようにしたいものですね。
<監修者プロフィール>
太田 郁子(おおた・いくこ)
倉敷平成病院婦人科医長、医学博士、日本子宮内膜症啓発会議実行委員
スポンサーリンク