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執筆:桜 イクミ(管理栄養士)
日本人はもともと体臭がほとんどないといわれています。しかし、食生活の欧米化によって、以前よりも体臭が強くなっている傾向があるそうです。
「体臭が気になっている」という方は、食生活を振り返るひとつのきっかけにしてみてはいかがでしょうか。具体的に、どの食べ物がどのように体臭と関連するのか、詳しく見ていきましょう。
体臭の原因となる食べ物は?
食生活の欧米化で、以前と比べ、肉類や乳製品の増加し「あぶら」の多い食事などが増えました。このような食生活の変化から「タンパク質」と「脂質」の2点について、体臭との関係をみていきましょう。
タンパク質
肉、魚、乳製品、卵、大豆製品などに含まれるタンパク質は、身体の組織や筋肉をつくるために必要なものです。しかし、摂取量が多すぎると、腸内環境の悪化を引き起こしやすく、体臭の原因になります。
その理由には、腸内細菌が関係しています。
腸内細菌には、ビフィズス菌、乳酸菌などの善玉菌といわれる菌や、大腸菌、ウェルシュ菌などの悪玉菌といわれる菌が存在します。このバランスが崩れると、腸内環境の悪化につながります。
タンパク質は、大腸まで送られると腸内細菌のエサとなり、腐敗します。悪玉菌のエサとなると、アンモニアや硫化水素などの臭いの強い物質を作りだします。これらは、ガスや便の臭いを強くするだけではなく、血液の中にも吸収されて、毛穴、汗、皮脂などからも放出されます。
焼き肉などで肉を大量にとった次の日は「お腹が張る」「便の臭いがきつい」という経験をされた方も少なくはないでしょう。それは、とくにタンパク質の多い食品の中でも、肉類や乳製品などの動物性のタンパク質は、臭いを強くさせてしまうからです。
これらは消化に時間がかかるため、胃腸の中に長くとどまって腐食がおこり、汗、便などの臭いを悪くします。また、大腸での腸内細菌である悪玉菌のエサとなって腸内環境が悪化しやすくなり、臭いの原因になります。
脂質
汗は「アポクリン腺」と「エクリン腺」という2種類の皮脂腺から分泌されます。
体臭は、
(1)アポクリン腺やエクリン腺から分泌された汗が、細菌によって分解されたときに発生する臭い、
(2)肌の奥にある皮脂腺から分泌された皮脂が空気に触れて酸化し、皮脂が酸化した臭いで起こる臭い、
(3)アポクリン腺から出た汗が、皮脂腺から分泌された皮脂と混じり合い、雑菌を繁殖させることで臭いが発生します。
脂質とはあぶらのことで、脂質の摂取が多いと、皮脂腺から分泌される皮脂の量が増え、結果的に酸化した皮脂の量が増え、臭いもきつくなります。
ですので、タンパク質、脂質の摂り過ぎが体臭の原因となるのです。
それでは、体臭を減らすためには、具体的にどのような食事をしていくとよいのでしょうか。
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