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執筆:座波 朝香(助産師・保健師・看護師)
医療監修:株式会社とらうべ
一般的に、妊娠中は身体を冷やすとよくないといわれます。
足首にレッグウォーマーを履いている妊婦さんを見かけることも。
なぜ手首、足首、首を冷やすとよくないのでしょうか?妊娠中の身体と冷えについてご一緒に見ていきましょう。
「冷える」とはどんな状態?
ここでいう「冷える」とは、手足や足首が冷えてツライという自覚がある状態です。冷え性の人にはわかりやすいかもしれませんね。
冷え性の自覚がない人は、実際に手首か足首、首を触ってみましょう。
その部分が、ワキやお腹、太モモやふくらはぎよりも冷たくなっていれば冷えている状態といえます。
手首や足首、首が冷えるとカラダで何がおこる?
哺乳類である人間のカラダは、生きるのにベストな状態を保とうとする機能、「ホメオスタシス(恒常性維持)」が働いています。
体温についていえば、どんな状況でも体温を保とうとする恒温動物ということですね。
手首や足首、首が出ている服装などにより身体が冷えた結果、血行が悪くなります。これも、体温を維持して身体を守るための反応です。具体的には、冷たさを肌が感じとると、脳の体温調整の中枢では「寒い環境にいるので体温を下げないように!」という指令が出されます。
すると、身体で熱を作り出すのと同時に、血管を収縮させることで肌からの熱を逃がさないようにしています。寒さを感じていることが続くと、結果として血管は締まりっぱなしになるために血液の流れも悪く、手足の色、顔の血色が悪い、実際に触って冷たい状態になります。
しかし、脳で体温が設定されているので、ある程度寒さが続いても、必要以上に下がることはありません。そのため、脳や臓器などの生命活動に必要な部分へは十分血流が保たれることになります。
寒い山中や海での漂流などの極限状態にさらされたときには、熱をつくることが追いつかず「低体温症」という命がキケンな状態になることもあります。それくらい極端な状況でない限り、生命活動に影響するようなことはありません。
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