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執筆:吉村 佑奈(助産師・保健師)
医療監修:株式会社とらうべ
だんだん暖かくなって、春が近づいてくると、うれしい気持ちになる人も多いはず。
しかし、その一方で、春特有の体調不良に悩まされることがあることをご存知ですか?
なぜ春に体調不良が起こしやすいのか、その理由について考えてみましょう。
春特有の気候が体調を悪化させる!?
春は、気圧、気温、日照時間など、気候の変動が激しい季節です。
このような気候の変化は身体に次のような不調をきたします。
気圧の変化による身体の変化
春は、高気圧の後に低気圧がくるといったように、気圧の変動が激しい季節です。
ヒトの身体は、気圧が下がると、血管や細胞が広がって血液やリンパ液が流れるスピードが遅くなり、身体のだるさ、むくみなどの症状を起こすことがあります。
また、低気圧になると、地上の酸素濃度も薄くなります。
すると、身体もできるだけ酸素を使わないようにするため、エネルギーを温存させようと、副交感神経(リラックス時に働く自律神経)が優位になりやすくなります。
一方、高気圧になると、これと逆のことが身体で起こることになります。
気圧の変動が起こりやすい春には、度々このような変化が体内で起こることになります。
すると、自律神経の切り替えがうまくいかなくなり、だるい、やる気が出ないといった症状が現れやすくなります。
気温の変化による身体の変化
春は、気圧とともに気温の変化も現れる季節です。
「三寒四温」といわれるように、暖かい日が続いたと思ったら寒い日が続いてみたり、また、日中は気温が高いけど、朝晩は寒いといったように、1日の中でも気温の高低差が激しくなります。
自律神経は、身体の温度調節をする機能も持っているため、こうした寒暖差は2つの自律神経のバランスを乱す原因となります。
日照時間の変化による身体の変化
「春眠暁を覚えず」という故事が表すように、春は眠くて眠くてたまらない季節。
この理由について、暖かくなって眠くなるためと思っている方も多いでしょう。
実はそれだけではなく、日照時間が長くなることも関係しています。
日照時間が延びると、起床の時間が長くなったり、夜遅くまで起きているなど、活動のリズムも大きく変化します。
すると睡眠のリズムも乱れ、夜になってもなかなか寝付けない、あるいは朝になってもまだ眠いといったように睡眠の質も低下しやすくなり、日中のだるさや眠気の原因となります。
ここまで春に体に起りやすい変化の理由をご紹介してきました。
こうした体調不良は、巷では「春バテ」とも呼ばれているようです。
このような言葉が登場してきたということは、春が不調をきたしやすい季節であるという認識が広がっているのかもしれません。
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