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執筆:青井 梨花(助産師・看護師・タッチケアトレーナー)
医療監修:株式会社とらうべ
車やバス、電車、船、飛行機など、乗り物に乗ったときの揺れが原因となって、一過性に気分が悪くなり、吐き気やめまいなどの症状があらわれる「乗り物酔い」。
医学的には「動揺病」といいます。
乗り物酔いに対して、いわゆる「酔い止め」の薬を使用すること以外に、なにか予防する方法はあるのでしょうか?
「酔い止めの薬、うっかり忘れた!」というときなど、知っておくと安心な情報をお届けします。
そもそもなぜ乗り物酔いは起こる?
ヒトのからだには、平衡機能といって、倒れないよう姿勢をバランス良く保つための調整機能が備わっています。
ふだん、その役割を担っているのは、耳の中の「内耳(ないじ)」という場所にある「前庭(ぜんてい)」と「半器官(はんきかん)」です。
また、目で実際の位置を確認し、筋肉がその情報に応じてはたらくことで、安定した姿勢を保持しています。
乗り物酔いは、乗り物によるスピードの変化や、前後・左右・上下など不規則で不安定に揺れるくり返しの刺激が、内耳の器官を刺激することで起こります。
内耳の刺激情報を脳へと伝達するのに、いつもと違った慣れない刺激がつづくと、脳は情報過多となります。
すると、脳が混乱して自律神経に異常な信号を送ってしまいます。
その結果、自律神経のはたらきが乱れてしまい、生あくびや胃の違和感などから、徐々に気分が悪くなり、冷や汗、顔面蒼白、吐き気や嘔吐など、乗り物酔いの症状が出現するのです。
また、「酔うかもしれない」といった不安感が発症に関係する場合もあるともいわれます。
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