過多月経の治療法「子宮内システム」が保険適用に

Mocosuku(もこすく)
  • 過多月経の治療法「子宮内システム」が保険適用に

  • Mocosuku(もこすく)
医療資格者や専門家だけの記事を配信

過多月経の治療法「子宮内システム」が保険適用に

公開日時

 40歳以降の子宮の病気 :【過多月経】生理の経血が多い人は注意!

 

過多月経を起こす原因としては、性成熟期では子宮筋腫(とくに粘膜下筋腫)、子宮内膜ポリープ、子宮内膜増殖症、子宮腺筋症などの器質的な病気があげられますが、子宮に器質的な病気がなく体内ホルモンの状況によることもあります。
 
 

症状

日本では一般に、1回の月経での経血量は20g~140gといわれていますが、これよりも多かったり女性自身が日常生活に支障を感じる場合を月経過多(過多月経)といいます。
 
目安としては、出血量の多い日が3日以上続く、レバー状のかたまりがいくつも出る、貧血をおこすほど出血する、などがあげられます。
 
 

治療

原因となる病気がある場合、その治療を優先することが治療の第一選択であり手術が第一選択とされます。しかし、さまざまな事情によりこれが困難な場合、ホルモン剤や月経困難症としてEP配合剤などを服用することもあります。
 
また、また、最近ではIUS(子宮内システム)という治療法もあります。子宮内に留まって黄体ホルモンを持続的に放出し、子宮内膜が厚くならないようにする効果があり、過多月経の治療法として2014年9月から保険が使えるようになりました。
 
不正性器出血や骨盤内炎症性疾患の可能性はありますが、 婦人科で一度装着すれば5年間はその効果が続きます。外科的な治療と比べて身体の負担が軽い治療法としての選択肢が増えたことになります。
 
器質的な疾患があると装着できないこともありますが、量の多さや貧血など、気になる症状があればまずは婦人科の先生に相談してみましょう。
 
 

 40歳以降の子宮の病気 :妊娠・出産経験の有無でなりやすい病気が違う?

 

子宮や卵巣の病気は、妊娠・出産の経験数と関連性のあるものがあります。
 
今回紹介した子宮内膜症・子宮腺筋症・子宮筋腫はいずれもエストロゲン依存性の疾患で、相互に合併していることもあります。いつもと違うな?と感じたら婦人科に行きましょう。そして、毎年の婦人科健診も忘れずに…。

 

 
<執筆・監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供

 

スポンサーリンク

先週よく読まれた記事

ヨガはどうしてカラダに良いの? 医学的に掘り下げてみよう

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 昨今のヨガブームにより、趣味としてヨガを楽しまれている方も多いのではないでしょうか。 「なんとなく健康に良さそう」というイメージの強いヨ...

不眠症ならぬ「過眠症」をご存じですか? 症状や原因とは

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ あなたは自分の睡眠に満足していますか? 睡眠の悩みと聞くと、多くの方が思い浮かべるのは「不眠症」でしょう。 しかし、「過眠症」で悩んでい...

朝起きたら首が… やっかいな「寝違え」の原因と治し方

執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師) 医療監修:株式会社とらうべ 「朝起きたら首が痛い・・・寝違えたかも!?」 このような経験、どなたも一度はあるでしょう。 そもそも寝違えはどうして...

冷え対策に、「温活」をはじめよう!

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 婚活、妊活、終活など、最近は「〇活」というコトバがよく使われています。 「温活」もそのうちのひとつで、今や書籍やインターネットなどあちこ...

「失神」と「睡眠」の違い どこに注目すればいい?

執筆:南部 洋子(看護師) 監修:坂本 忍(医師、公認スポーツドクター、日本オリンピック委員会強化スタッフ) 「失神」と「睡眠」の違い、見た目ではなにがどう違うのか、わかりませんよね。 例えば、飲み会...

つった! 寝ていたら足がつるのはどうして?対処法は?

執筆:山村 真子(看護師・西東京糖尿病療養指導士) 夜寝ている時、突然足がつってしまい、激痛で目が覚めた! そんな経験をされた方、いらっしゃいませんか? 突然起こる足のつり。どうしてこのようなことが起...

働く人に増えている「適応障害」 原因となる3つのパターン

執筆:山本 恵一(メンタルヘルスライター) 医療監修:株式会社とらうべ 環境にうまくなじめないことから、落ち込んだり、意欲や自信を喪失したり、イライラして怒りっぽくなったり、体調面が悪くなったり、場合...

【生理】新着記事

「手のこわばり」は更年期の症状? 正しい知識で安心な備えを

「手のこわばり」は更年期の症状? 正しい知識で安心な備えを

執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師) 医療監修:株式会社とらうべ 「指や手がこわばる」という訴えが更年期世代の女性に多いということ、ご存じですか? これは意外と知られていない、更年...

2018/04/02 18:30掲載

生理前・生理中の不調を緩和する、食事面でのポイント

生理前・生理中の不調を緩和する、食事面でのポイント

執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師) 医療監修:株式会社とらうべ 生理前は調子が悪くなる、生理中は食欲がない…など、生理にまつわる体調の変化は人それぞれです。 いずれにせよ、カラダ...

2018/01/05 18:30掲載

女性ならではのお悩み…? なぜ月経前には甘いものが食べたくなる?

女性ならではのお悩み…? なぜ月経前には甘いものが食べたくなる?

執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師) 医療監修:株式会社とらうべ 女性のみなさん、月経前になると、無性に甘いものが食べたくなることはありませんか? どうして、このような現象が起こるの...

2017/11/08 18:30掲載

毎月この時期は憂うつ…。それは「PMDD」の可能性も

毎月この時期は憂うつ…。それは「PMDD」の可能性も

執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師) 医療監修:株式会社とらうべ 月経前になるたびにイライラしたり、落ち込んでしまったりしていませんか? 月経前にこのようないつもと違う精神的な...

2017/02/27 18:30掲載

生理痛はガマンしない… は自然?不自然?

生理痛はガマンしない… は自然?不自然?

執筆:座波 朝香(看護師、助産師) 監修:坂本 忍(医学博士・公認スポーツドクター(日本オリンピック委員会強化スタッフ)・日本医師会認定産業医) 人と比べることが難しい生理(月経)。 生理痛(月経痛...

2017/02/15 18:30掲載

「正常な月経」を知っていますか?

「正常な月経」を知っていますか?

執筆:青井 梨花(助産師、看護師) 監修:坂本 忍(医師・公認スポーツドクター・日本オリンピック委員会強化スタッフ) 月経の量や周期の乱れなどから思わぬ病気がみつかることもあります。 女性特...

2017/01/30 21:30掲載