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母性本能 !?(3)
母親が精神的に疲弊する前に
ですが、日本には母親は 母性本能 に満ち溢れていつでも子どももかわいいと思えて当然という神話があるようです。
その結果、母親がついているから子どもは大丈夫という過信を産み、時には母親を孤立に導きます。
二人だけの閉じた世界の中では、時に相手を「敵」のように認知してしまうことがあります。これは恋人同士でもご夫婦でも起こり得る現象です。
ですが、母と子どもの場合は母親が気持ちを抑える余力がないほどに疲れ切っていると、力関係で言えば子どもが被害者になってしまうのです。
母性本能 や女性の母親力は確かに素晴らしいもので、尊敬に値することは間違いありません。
ですが、それを当てにし過ぎて、子育てに悩む母親のSOSがキャッチされにくい状況が日本にはあるように思えます。
支えてくれる家族に恵まれていないご家庭もたくさんあります。
母親が精神的に疲弊する前にSOSをキャッチできる子育て支援を設計していく必要があるかもしれません。
<執筆者プロフィール>
杉山 崇(すぎやま・たかし)
神奈川大学人間科学部/大学院人間科学研究科教授。教育支援センター副所長、心理相談センター所長(15年4月から)臨床心理士、公益社団法人日本心理学会代議員、キャリアコンサルティング技能士。『入門!産業者社会心理学(2015年4月発売)』も好評。
公式サイトはこちら⇒ http://www.sugys-lab.com/
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