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潰瘍性大腸炎
大腸は、消化管で消化した食べ物の水分を吸収して便を硬くする働きがあります。このため、大腸で炎症が起きると下痢になり、また炎症の起きた粘膜から出血するため、粘液や血液が混じります。軽症の場合、直腸からの出血が唯一の症状のため、痔と誤診されることもあります。この病気の原因は現在わかっていません。欧米に多く、アジア諸国では少ない病気ですが、日本では現在10万人を超える患者がいます。年々増加傾向にあるため、食事を含めた環境因子や遺伝子的因子の関与が疑われています。基本的に全ての年齢層にわたって発症しますが、日本では20〜30代と、50代に発症のピークが見られます。男女差はありません。
クローン病
小腸、大腸を中心とする消化管に炎症を起こして、びらんや潰瘍を生じる慢性疾患です。下痢、血便、腹痛、発熱、体重減少などの症状があります。20代に最も多く発症しますが、他の年代でも見られます。欧米に多く、日本では比較的少ない疾患ですが、こちらも近年増加傾向にあります。自覚症状としては、口腔粘膜の潰瘍や痔(特に痔瘻や肛門周囲膿瘍)が多く見られます。消化管以外の症状としては、関節炎、皮膚症状として結節性紅斑、壊疽性膿皮症、ぶどう膜炎などを合併する厄介な病気です。遺伝的要因とそれに基づく腸管での異常な免疫反応が原因と考えられていますが、はっきり解明されていません。食生活の欧米化によって患者が増えていると言われ、食物中の物質や微生物が抗原となって異常反応を引き起こすと考えられています。
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