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空き家が増える原因と問題 :要因のひとつは住戸の多さと税金
ではなぜ空き家が多くなってしまうのか?その大きな要因のひとつとして考えられるのは、世帯数に対する住戸数の多さにあります。
総務省の「総住宅数、総世帯数及び一世帯当たりの住宅数の推移—全国(昭和38年〜平成20年)」によると、1968年から全国の総住宅数が総世帯数を逆転し、以後その差は開き、1世帯数の住宅数の割合が1968年は1.01%だったのが、2008年には1.15%にまで上昇、数にすると762万住戸が余っている状態にあります。
そしてこれまでは世帯数も増加の傾向にありましたが、2019年には世帯数が減少に転じる「2019年問題」を迎えます。これにより、空き家率の上昇をさらに加速させる可能性もあります。
さらに空き家が増える背景には、使用しなくなった家を取り壊す際のコストにあります。壊す作業そのものにもお金はかかりますし、さらに家を更地にすることで固定資産税の対象となります。従って空き家の状態にしておく方が、金額面でのメリットが高いのです。
空き家が増える原因と問題 :近隣住民が受ける5つのデメリット
では空き家が増えることで何が問題になるのか? 一般的には以下のような問題が考えられると言われています。
1. 放火による火災
2. 地震・強風・台風などによる倒壊
3. 不審者が侵入・住居化し防犯上の問題に
4. 衛生面の悪化
5. 景観の悪化
こうした状況を打開すべく、国や自治体も空き家の除去を促したり、空き家を有効活用する「空き家バンク」が登場するなど、空き家問題に対する取り組みがはじまっています。先の「2019年問題」を考えると、「空き家問題」の対応は一層必要になってくることが予想されます。自分たちの街にも少なからず存在し、何らかの形で生活に影響する「空き家問題」。今後の動向にも注目したいところです。
種藤 潤(たねふじ・じゅん)
神奈川県生まれ。ライター・エディター・ウェブプランナー。食、酒、住まい、教育、ビジネス、介護、旅と、生活に身近なあらゆるテーマを取材・執筆。近年はオーガニックなライフスタイルにも着目。特定なジャンルに限定せず、日常を包括的な視点で捉えた「生活がちょっと楽しくなるタネ」の提供を心がけています。
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