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モーラステープの副作用に注意
モーラステープは鎮痛消炎効果のある非常に薄い湿布薬で、肩こりや腰痛、筋肉や関節の痛みを緩和するために使用する人が増えています。高い効果が期待できる反面、副作用には要注意です。
特に注意を要するのが、モーラステープを貼った状態で日光に当たることです。モーラステープの主成分であるケトプロフェンに紫外線が当たると、皮膚の炎症を引き起こし、重症化することがあります。
対策としては、モーラステープを貼っている部位が日光にふれないように衣服などで覆います。モーラステープを剥がした後はケトプロフェンの血中濃度は低下していきますが、数日、数週間成分が残っている場合もあります。モーラステープを張っているときだけでなく、剥がした後もその部位が日光に当たらないようにします。
ランナーなど野外で活動するアスリートの方で、筋肉や関節の痛みの緩和にモーラステープを使用する場合は、運動中、貼っている箇所にできるだけ紫外線が当たらないように工夫しましょう。
中高年に多い、薬の服用にともなう薬剤性光線過敏症
年齢が高くなると、糖尿病や高血圧、高脂血症の薬を内服している人も増えてきます。内服している薬が原因で手の甲、首、顔、腕などに赤みが出ることがあります。薬に反応する光線過敏症を「薬剤性光線過敏症」といいます。なかでも高血圧の治療薬に用いられるチアジド系降圧利尿薬に関連した薬剤性光線過敏症のケースが多く報告されています。
皮膚科を受診すると、可視光線や紫外線を皮膚に当てるテストによって原因をつきとめることができます。薬剤性光線過敏症に対しては、原因と疑われる薬を服用した状態でテストします。
ただ、薬がその人の健康にとって欠かせないものであれば服用を止めるわけにはいきません。皮膚科医と内科医が連携し、総合的に判断する必要があります。夏場は毎年日焼けでつらい思いをするという人は、ただの日焼けではない可能性があります。早めの対策で重症化を防ぐため、皮膚科の受診も選択肢に入れておくとよいでしょう。
執筆:斉藤雅幸(Mocosuku編集部)
監修:岡本良平医師(東京医科歯科大学名誉教授)
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