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頭のけが をしてしまったときに帰宅してから確認すること
頭を打った当日は帰宅後に嘔吐することがあります。
1~2回の嘔吐であれば、一口か二口位の水分を与え、吐かないかどうか様子を見ます。30分~1時間後にも水分を与えて確かめます。
問題なければそのまま普段の6~8割の量の食事を与え、嘔吐がなければ休ませますが、1人にはせず、名前を呼んで答えるかどうか、刺激を与えて痛みを感じるかどうかを確認します。
翌朝元気ならほぼ問題ないと考えられます。
ただし、意識障害や半身麻痺などがある場合はもちろんのこと、嘔吐が続いたり、嘔吐だけでなく強い頭痛を伴う場合は緊急手術が可能な医療機関を受診してください。
頭のけが :急性硬膜外血腫とは?
ボールが頭に当たったときの代表的な外傷には、脳しんとう、頭蓋骨骨折、硬膜外血腫があります。
丸毛選手は急性硬膜外血腫と診断されています。
急性硬膜外血腫は、頭蓋骨の骨折を伴うことが多く、脳を包む「硬膜」と頭蓋骨の間に出血する疾患です。
丸毛選手は怪我の直後に練習を継続することができ、その後に体調不良を訴えています。頭部外傷直後に症状がなく、その後、意識障害が現れるまでの間に元気な時期(意識清明期)があるのは急性硬膜外血腫の特徴のひとつです。
血管外に流れ出た血液が組織内に溜って排出されない状態を「血腫」といいます。緊急手術では、開頭血腫除去術によって血腫を取り除きます。
急性硬膜外血腫では、血腫が硬膜によって仕切られているので、脳損傷をともなわなければ治療成績は非常に良く、多くの場合、回復を期待できるといいます。
スポーツにおける頭部外傷は頻度としては少ないものの、ひとたび起きれば、脳への影響も心配されます。
明らかに異常がある場合はもちろんですが、少しでも不安を感じたら医療機関を受診することをお勧めします。
執筆:斉藤雅幸(Mocosuku編集部)
監修:坂本 忍(医学博士)
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