医療過誤 とはどういう事態を言うの?

Mocosuku(もこすく)
  • 医療過誤 とはどういう事態を言うの?

  • Mocosuku(もこすく)
医療資格者や専門家だけの記事を配信

医療過誤 とはどういう事態を言うの?

公開日時

千葉市にある病院の心臓血管外科で手術を受けた患者7人が、4〜6月の3か月間に死亡していたことがわかりました。同院では調査検討委員会を立ち上げて原因究明に当たり、調査結果がまとまるまで開心術などの手術は中止するとしています。患者の相次ぐ死亡となると、「 医療過誤 」という言葉が頭をよぎります。

 

 

心臓の手術であり、また、たまたまリスクの高い患者が集まった可能性も考えられるため、このケースがただちに 医療過誤 だと判定されるわけではありません。追って厚生労働省などの調査も入り、判断が下されるでしょう。ところで、そもそも医療過誤とはどういう事態を指すのでしょうか? ここでは、 医療過誤 とは何なのかについて考えてみましょう。

 

医療過誤 ・医療ミス・医療事故

「 医療過誤 」と同じように使われる言葉に、「医療ミス」や「医療事故」があります。「医療ミス」は不可抗力ではなく、医療従事者に過失があった場合を指します。医療裁判などにおいて患者が勝訴し、医療従事者に責任があると認定されるような場合です。「医療事故」は、医療を行う中で生じたすべての事故を指しています。不可抗力で起きた事態はもちろん、患者だけでなく、医療従事者に起きた事故も含まれます。

 

「 医療過誤 」は、医療事故のうち事故発生の予見可能性や結果を回避する可能性があるにもかかわらず、医師や看護師など医療従事者の過失によって患者が損害を与えられた場合を指す言葉です。つまり、 医療過誤 は、医療事故のうち法律上、医師や看護師などの医療従事者に損害賠償の請求を求めることができるもの、ということになります。

 

スポンサーリンク

先週よく読まれた記事

ヨガはどうしてカラダに良いの? 医学的に掘り下げてみよう

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 昨今のヨガブームにより、趣味としてヨガを楽しまれている方も多いのではないでしょうか。 「なんとなく健康に良さそう」というイメージの強いヨ...

不眠症ならぬ「過眠症」をご存じですか? 症状や原因とは

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ あなたは自分の睡眠に満足していますか? 睡眠の悩みと聞くと、多くの方が思い浮かべるのは「不眠症」でしょう。 しかし、「過眠症」で悩んでい...

朝起きたら首が… やっかいな「寝違え」の原因と治し方

執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師) 医療監修:株式会社とらうべ 「朝起きたら首が痛い・・・寝違えたかも!?」 このような経験、どなたも一度はあるでしょう。 そもそも寝違えはどうして...

冷え対策に、「温活」をはじめよう!

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 婚活、妊活、終活など、最近は「〇活」というコトバがよく使われています。 「温活」もそのうちのひとつで、今や書籍やインターネットなどあちこ...

「失神」と「睡眠」の違い どこに注目すればいい?

執筆:南部 洋子(看護師) 監修:坂本 忍(医師、公認スポーツドクター、日本オリンピック委員会強化スタッフ) 「失神」と「睡眠」の違い、見た目ではなにがどう違うのか、わかりませんよね。 例えば、飲み会...

つった! 寝ていたら足がつるのはどうして?対処法は?

執筆:山村 真子(看護師・西東京糖尿病療養指導士) 夜寝ている時、突然足がつってしまい、激痛で目が覚めた! そんな経験をされた方、いらっしゃいませんか? 突然起こる足のつり。どうしてこのようなことが起...

働く人に増えている「適応障害」 原因となる3つのパターン

執筆:山本 恵一(メンタルヘルスライター) 医療監修:株式会社とらうべ 環境にうまくなじめないことから、落ち込んだり、意欲や自信を喪失したり、イライラして怒りっぽくなったり、体調面が悪くなったり、場合...

【医療】新着記事

長寿遺伝子『サーチュイン遺伝子』を活性化すれば若返りも可能!?

長寿遺伝子『サーチュイン遺伝子』を活性化すれば若返りも可能!?

執筆:井上 愛子(保健師・助産師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 「もう年だから仕方ない…」 体力の低下や持病、シミやシワ、太りやすくなったなど、加齢による身体の衰えを年のせいとあきらめていません...

2019/04/05 18:30掲載

AYA世代(思春期・若年成人)に発症する「若年がん」の特性を知って!

AYA世代(思春期・若年成人)に発症する「若年がん」の特性を知って!

執筆:井上 愛子(保健師・助産師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 子どもから大人になっていく過程のAYA(アヤ)世代。 印象深いライフイベントが次々にめぐってくるこの時期に、「がん」という病気...

2019/03/22 18:30掲載

よい治療を受けるためには「患者としてのスキル」も必要!?

よい治療を受けるためには「患者としてのスキル」も必要!?

執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師) 医療監修:株式会社とらうべ 病気になって病院やクリニックを受診するとき、正確な診断と早く治る処方箋(服薬はもちろん、注意点やリハビリテーションのアド...

2019/01/01 18:30掲載

ドナーの数は足りている? 日本の骨髄バンクの現状

ドナーの数は足りている? 日本の骨髄バンクの現状

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 白血病などの治療法のひとつ「骨髄移植」。 この骨髄移植は、適合の問題などから公益財団法人日本骨髄バンクが管理し、日本赤十字社や地方自治...

2018/04/24 18:30掲載

今さら聞けない「漢方薬」 ふつうの薬とは何が違う?

今さら聞けない「漢方薬」 ふつうの薬とは何が違う?

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 「漢方薬」と聞くと、どのようなイメージをお持ちでしょうか? 「ふつうの薬よりなんか良さそう」「副作用が少ない」「緩やかに効果がでる」な...

2018/02/19 18:30掲載

「延命治療」とはどういう治療? 現代の終末期医療について

「延命治療」とはどういう治療? 現代の終末期医療について

執筆:藤尾 薫子(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 「延命治療」という言葉を耳にしたことがあると思います。 実際には、どのような治療のことを指すのでしょう? また、延命治療は誰の意...

2017/11/27 18:30掲載