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脳細胞に噛みつき、溶かす
脳を食べるアメーバは、鼻から体内に入り、神経を伝って脳の中へ侵入します。
フードカップと呼ばれる口のような器官で脳細胞や血球に噛みついて破壊。さらに脳細胞を溶かす酵素やタンパク質を分泌することによって効率的に脳を食べていきます。
初期の症状としては、頭痛・発熱・吐き気・肩こりなどが起き、その後精神状態が混乱。幻覚まで見えるようになり、発症から7日〜10日という早さで死に至ります。
このアメーバに感染するのは非常にまれですが、ひとたび感染すれば致死率は極めて高く、アメリカでは1972年以降、患者134人のうち生き延びたのはたった3人だけでした。
日本でも死亡例
「脳を食べるアメーバ」ネグレリア・フォーレリによる感染例は日本にもあります。
1996年11月17日。佐賀県鳥栖市在住で、食品加工会社に勤める25歳の女性は突如発熱を覚えました。
翌日は会社を休みましたが熱は下がらず、2日後に38.3度に上がり、頭痛・嘔吐の症状が出はじめます。
近くの診療所へ行くとインフルエンザと診断され、投薬を受けその日は帰宅しました。
ところが翌日にはさらに39.3°にまで上昇。頭痛と悪寒が一層ひどくなったため診療所に入院して点滴を受けます。
日が明けても一向に熱は下がらず、意識混濁を起こしたため、久留米大学病院救命救急センターに昏睡状態で救急搬入。細菌性髄膜炎との見立てのもと、治療が行われるも症状は改善しません。
22日になって髄液中にアメーバを発見し、原発性アメーバ性髄膜炎と診断が確定しましたが、すでに女性は脳死状態。快復することなく亡くなりました。
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