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熱中症に「解熱剤」が効かない理由
熱中症でただちに体温を下げなければ危険というとき、「解熱剤」で熱を下げようと試みる人もいるかもしれません。しかし、残念ながら熱中症による体温の上昇を解熱剤で抑えることはできません。
ウイルスや菌の感染により発熱している場合は、脳の体温設定がエラーを起こしています。解熱剤は、脳の体温設定温度を正常に戻すことで熱を下げものです。これに対し熱中症の場合は、基本的に脳の体温設定は正常であるため、解熱剤の効果は期待できないのです。
体温が上がって汗をかかない状態が危険
熱中症が重症になると、平熱を超えて体温が上昇しているにもかかわらず、汗をかかなくなります。こうなると、もはや体温調整を行う脳の指令機能が働いていない状態です。
体が熱を処理できないため、体温がどんどん上昇してしまう危険があります。生命の危険であり、迅速な対応が求められます。
緊急時の迅速な対応のためには、判断基準はシンプルである必要があります。すぐに救急車を呼ぶか否かは、「意識がはっきりしているかどうか」で判断します。意識がはっきりしていれば、誰かが付き添い、体を冷やしながら、スポーツドリンクなどの電解質・糖分を含んだ水分を与えましょう。
体を冷やすには、エアコンで室内の気温を下げ、下着の上から水を吹きかけて扇風機の風を当てます。一方、意識がない、言動がおかしい、という場合はただちに救急車で病院に搬送してください。
<参考>
熱中症を引き起こす仕組みと予防、および重症化しやすい体質について(東京医科大学病院)
http://hospinfo.tokyo-med.ac.jp/news/shimin/nettyuusho02.html
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