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医師からの宣告
薬も切れたので、先生を訪ねると、衝撃的なことを言われました。気分が全然上がってこないことを伝えると、先生は一言、「村井さんは立派な“うつ”ですね。」と。動揺を隠せずに発した言葉を覚えています。「先生はこの前、軽いうつだと言ったじゃないですか?重いんですか?」と咄嗟に尋ねるのが精一杯でした。「重くも軽くもなく、普通のうつです。」これが先生の答えでした。
まさか自分がうつになるなんて!それまで、経営者仲間の間では、社員がうつになったら、労働問題で揉めたりして大変だと言うことは聞いていましたし、ストレス耐性が弱い人間がなるものだと言うことで、創業当時には暫くの間、ストレスに対す強さを数字で表すテストをして、採用基準のひとつにしていました。
また、自らもテストを受け、社内では断トツでストレスに強いとの結果に満足していただけに、その正式告知のショックは大変なものでした。続けて、「薬を増やしましょう。多分、良くなりますよ。」これが先生の答えでした。もちろん、こうなったからには、薬の増量(倍増)に賭けるしかありませんでした。
抗うつ剤の治癒効果 失われた「食欲」、「性欲」…そして経営者としての「自信」
その頃は、食欲の無さにホトホト困っていました。特に、お昼が全くと言っていいほど食べる気がしないのです。ですので、力が入りません。会社から自宅まで歩いて15分の距離も歩く気力も出ず、毎日、朝晩、タクシーのお世話になっていました。週末は、とにかく泥の様に怠い。どよーんとした体の状態から抜け出すべく、整体にも通いましたが、以前の様な筋肉が解き解されて、細胞が蘇ったような気持ちの良さは実感できません。薬を増やした2週間も、こんな状態であっという間に過ぎ、気持ちが上向くことは一切ありませんでした。眠れない夜、性欲もゼロとなり、毎朝、重い心を引きずって会社まで行くのが精いっぱいの状況が続きました。
一方、会社では、気の重くなるお客様と取引先とのトラブルが発生していました。このことが益々気持ちを重くし、長引く解決に、いよいよ経営者として会社を運営していくことの自信を大きく失っていきました。
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