二人目不妊の治療 ~女性に広がる「二人目不妊」とは~

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二人目不妊の治療 ~女性に広がる「二人目不妊」とは~

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二人目不妊の治療 :卵子も老化する

女性の妊娠、出産にふさわしい時期は、20代~30代です。卵巣機能は20代後半でピークに達し、30代に入ると徐々に衰えてきます。自然流産の率が一番低い年齢も25歳~29歳といわれています。
年齢を重ねると体の各器官が老化していきますが、卵子ももちろん老化します。卵子は生まれたときから女性の体の中にあり、男性と違って新しく作られることはありません。そのために、歳をとるほど卵子の老化は進みます。
また、子宮や卵巣の病気、偏った生活習慣・過度なストレスなどにより、気がつかないうちに卵子の老化を加速させてしまっています。老化した卵子を若返らせることはできません。

 

二人目不妊の治療 :そのうちできるはず…は危険。「二人目不妊」とは

一人目を産んでいると、「ほしいと思ったときに二人目はできるでしょう」と軽く思っていたら、いつまでもできないと焦る女性が多いようです。一般的に、2年間避妊せずに夫婦生活を続けていれば約90%が妊娠すると言われています。「そのうちにできるはず」と様子をみていて時間が経過してしまうことがありますから、「ほしいのにできない」という場合は、すぐに産婦人科に受診をして、相談したほうがいいでしょう。
一人目ができない場合を「原発性不妊症」といい、一度妊娠したことがあり、その後不妊の場合を「続発性不妊症」といいます。 二人目不妊の治療 は、原発性不妊と同じですが、結婚自体が晩婚化傾向で、二人目はさらに高齢化となりますので、原発性不妊よりも治療は急ぐ場合があります。二人目不妊には、次の要因が考えられます。

 

女性の体の変化によるもの

一人目を妊娠した後、体に全く変化がなければ妊娠するはずです。しかし、残念ながら歳をとると、現実には、加齢に伴っていろいろな不調がでてきます。一人目出産時に卵管に軽い炎症を起こしている場合もあります。
35歳以上を「高齢妊娠」といい、子宮内膜症、子宮筋腫、子宮腺筋症など、婦人科疾患が増加してきます。その影響もあり、妊娠したとしても、30歳代後半~40歳代は流産率も上昇してしまうのです。

 

第一子出産後に月経が変化することがありますが、排卵自体がなくなることはないでしょう。しかし、卵子の質に変化が起こっている可能性があります。35歳を過ぎると卵子の質は低下し、40歳以降では深刻な問題になります。また、育児や生活様式の変化やストレスは、生殖機能に何らかの影響を及ぼしている可能性があります。

 

さらに、第一子出産時にトラブルがあると、その後「排卵障害」を起こすこともあります。卵管も妊娠のためには大変大事な機能です。卵管の末端には、「卵管采」というイソギンチャクのようなものがあり、卵子を捕まえる「ピックアップ機構」が備わっています。卵管采に性感染症などで癒着や閉塞があると「ピックアップ障害」がおこります。これは、原因の判明しない「機能性不妊症」の一つの原因と考えられています。

 

精子の老化によるもの

男性は、女性ほど生殖機能に変化がないため明確な目安はありませんが、それでも、精子にも加齢やストレスの影響はあると言われています。
60歳でも子どもに恵まれる人もいますが、かなり個人差があります。年齢が上がるほど仕事面などでのストレスの増加は夫婦生活にも影響を与えることでしょう。

 

環境の変化や社会的要因によるもの

育児や仕事、生活環境の変化により性交渉の頻度は、一人目の時より減少しているでしょう。社会的な要因も不妊の一つの原因と考えられます。セックスレスも問題になっています。

 

また、女性の社会進出が目覚ましく、現在、政府も「女性活躍促進」をうたっており、大企業では女性役員を排出させる方向です。責任あるポストに就いたりプロジェクトを任されたりすることが出てくる30代後半では、妊娠に踏み切ることができにくくなっているのかもしれません。

 

目先のことだけでなく、長い人生で何が大事なのか、今、何を優先すべきなのかを夫婦でじっくり話し合ったり考えたりする必要がありますね。

 

 

執筆:南部 洋子(看護師)
監修:坂本 忍(医師・医学博士)

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