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胃がん検診 :胃内視鏡検査による確定診断
胃X線検査は胃の粘膜にバリウムを付着させ、レントゲンで観察するというものです。胃の動きや、胃の中を食べ物が通る様子を確認するのに向いていますが、 凹凸の少ない病変や出血、粘膜の微細な変化を観察するのは苦手です。
胃内視鏡検査は、いわゆる胃カメラのことです。小型のカメラを装着した細い管を口または鼻から挿入し、食道、胃、十二指腸を直接観察することができます。また、胃内視鏡検査で病変の疑いがある場合は、その組織を採取し、良性か悪性かを判定する病理検査を進めます。最初から胃内視鏡検査を選択することには、病気かどうかがはっきりする確定診断までの流れが迅速になる、というメリットがあります。
ただ、胃内視鏡検査の場合、機器の進歩で随分軽減してはいますが、人によっては検査中に嘔吐反射が起き、苦痛を感じることがあります。食事や飲料の摂取制限もあり、また、検査時に麻酔薬や胃の動きを抑える薬を使うので薬剤アレルギーのある人は注意が必要です。
検査の精度の高さを求める場合、確定診断までの早さを求める場合は胃内視鏡検査が適しているといえます。一方、「胃カメラはちょっと…」という人は従来通り、胃X線検査を選択することができます。胃X線検査と胃内視鏡検査には、スクリーニングか精密検査かの違いがあります。 胃がん検診 における検査方法の選択は、同水準のものの間の選択ではなく、水準を異にするものの間での選択になるという点が重要です。これを踏まえ、自分が求める検査方法を選ぶようにしましょう。
<参考>
胃がん検診:内視鏡検査でも 厚労省検討会、追加を提言
http://mainichi.jp/shimen/news/20150731ddm041040130000c.html
胃がん検診の検査方法(日本医師会)
https://www.med.or.jp/forest/gankenshin/type/stomach/checkup/
執筆:斉藤雅幸(Mocosuku編集部)
監修:三原武彦医師(小児科医、三原クリニック理事長、みはら子育て支援センター長)
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