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電気・磁気のうつ病治療 : 扁桃体の活動を抑制するTMS
最近では、うつ病の人の脳は健常者と比べて血流や代謝が低下していることがわかってきました。そこで、脳細胞に磁気で刺激を与え活性化させることで、脳の機能を回復させることを目的にした治療法がTMSです。
米国ではすでに500か所以上の医療機関に導入されているそうです。保険適用外ですが、日本にも一部、自由診療として取り入れているクリニックがあります。
人間の脳には、認知や意欲、判断に関する領域で、悲しみや不安の感情を引き起こす「扁桃体」(へんとうたい)という部位があります。TMSでは、活動を抑制する働きをつかさどる「背外側前頭前野」(DLPFC)という部位に磁気刺激を与えます。
DLPFCの機能が低下すると、扁桃体の活動を抑えられなくなって「抑うつ状態」を発生させると言われています。そこで、DLPFCを磁気で刺激し機能回復を促すことで、扁桃体の過活動を抑制しようというものです。
電気・磁気のうつ病治療 : TMSのメリット
通常の薬物によるうつ病治療と比較したときのTMSのメリットは、不眠、眠気、頭痛、吐き気といった薬物の副作用に悩まされる心配がないこと。施術中や術後に頭にピリっとした刺激を感じる、刺激が歯の神経に伝わり痛みが走るといった訴えもありますが、一時的な現象であり、治療を続けていくうちに治まると言われています。総じて、薬物療法や電気けいれん療法(ECT)に比べ、副作用が少なく安全性が高いと評価されています。
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