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電気・磁気のうつ病治療 : TMS治療の基本的な流れ
実施しているクリニックによっても多少異なりますが、日本におけるTMSによる治療は、下記のような手順で行われます。
臨床心理士によるインテーク(面接)を行い、患者の状況を把握する
医師が診察を行い、TMSの適応の可否を判断する
医師および専門スタッフにより、TMS治療の内容や注意点を説明し、同意を得る(インフォームド・コンセント)
適応が可能な場合は翌日以降に治療を開始
治療時には、歯医者さんのようなリクライニング式のシートに座り、磁気を流す装置を頭部にセットします。装置から大きな音がするため、耳栓をして頭部に磁気刺激を与えます。
個人差はありますが、1日1回40分、週3〜5回のペースで、およそ30回、6~10週間くらいの期間で行われるのが、標準的な治療法とされています。
電気・磁気のうつ病治療 : 2つのアプローチ:化学的か物理的か
薬物療法は化学的アプローチです。副作用も出ますが、医師と患者が状態を確認しながら治療を進めていくことができます。これに対してETCやTMSは、電流や磁気によって刺激を加える物理的アプローチです。
外圧をかけて治療をしていくリスクがあり、また新しい治療法であるため蓄積された臨床データも多くはありませんが、治療の長期化といった問題の解決に貢献する可能性があります。両者を併用していくことも実施されており、TMSは今後に期待が持たれている治療法と言えるでしょう。
<参考>
うつ病ナビ:http://utu-yobo.com/tms.html
NHKスペシャル(ここまで来た! うつ病治療)http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20120212
執筆:山本 恵一(心理学者、メンタルヘルスライター)
監修:坂本 忍(医学博士、公認スポーツドクター、日本オリンピック委員会強化スタッフ)
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