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捻挫と骨折 :腓骨骨折とは?
膝から足首にかけての脛の部分を支える骨には、「脛骨」と「腓骨」があります。太い方が脛骨、細い方が腓骨です。太い骨と細い骨が隣り合っている構造は、肘から手首にかけての前腕部にもあり、これによってひねる動作が可能になります。
足をひねった際に骨折しやすいのが腓骨の足首側です。足首側に近い腓骨の端の方を「腓骨遠位端(ひこつえんいたん)」と呼び、この部分を骨折することを「腓骨遠位端骨折」といいます。捻挫で痛める部位と非常に近いため、捻挫だと思い込んでいたもののレントゲンで確認したところ腓骨遠位端骨折だった、ということはよくあります。また、ひねった際に転倒するなど腓骨に大きな力が加わると、足首に近い部位ではなく、それよりも上の方(膝側)を骨折することもあります。
捻挫と骨折 :保存的治療が中心
腓骨骨折は、骨が大きくずれていたり、靭帯損傷を合併している場合は手術を行いますが、多くはギプス固定による保存的治療で治癒を期待できます。松葉づえを使用し、2週間程度は足に体重がかからないようにします。
それ以降は、ある程度の刺激が加わった方が骨の修復は早くなるので、レントゲンで骨の修復具合を確認しながら、少しずつ体重をかける「部分荷重」を行います。ギプスによる固定は約2か月間継続します。
足をひねって負傷したとき、最初に疑われるのは足首の捻挫です。実際、捻挫が最も多いのですが、中には骨折しているケースもあります。足首付近の骨折は捻挫と部位も症状も似ているため自己判断では見落としがちです。レントゲン検査が可能な整形外科を受診し、適切な診断を得てから回復を目指すのがよいでしょう。
<参考>
西武に痛手 高橋朋 右足を骨折 今季絶望
http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2015/09/26/kiji/K20150926011208010.html
執筆:斉藤雅幸(Mocosuku編集部)
監修:岡本良平医師(東京医科歯科大学名誉教授)
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