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傷の処置 :ワセリンで代用する方法
小さな子どもだとラップなどを巻くのを嫌がるでしょうから、傷口を流水で洗ったら、ジュクジュクしている傷に多めのワセリンをつけてください。小さな傷ならば、ラップの役割をワセリンがしてくれます。1日数回乾かないように塗ってください。
注意することは?
浸出液が多すぎると、患部の湿度が高くなりすぎて細菌の繁殖が活発になり、化膿する危険があります。特に糖尿病など免疫力の落ちている場合は注意が必要です。ラップを使用した場合は、夏場は1日3回位ラップを外して体液が多く出ているようなら、それを拭き取り、新しいラップに取り替える必要があります。順調に治癒した場合も、新しい皮膚は弱く、触ったり、日光に当たったりすると赤味が残ってしまうので気をつけましょう。
よく患部を観察し、異変や治りが遅いようならば、すぐに医療機関を受診してください。なお、ここで紹介した方法は、擦り傷程度のケガを想定したものです。深い傷や動物にかまれた傷などは、すぐに医師の診察を受けましょう。
今までのやり方は乾燥させて、かさぶたを作って治癒させるという方法でしたが、「ジュクジュク」を大事にすることで皮膚の早期再生を期待できます。また、ガーゼなどを取り変えず、傷を密閉したままの状態なので痛みも軽くてすみます。傷口がふさがれば、治った合図です。子どもがケガをしたときの処置などに上手に取り入れてください。
執筆:南部 洋子(なんぶ・ようこ)
看護師、助産師、タッチケア公認講師。株式会社とらうべ社長。国立大学病院産婦人科勤務を経て、とらうべを設立
監修:坂本 忍(医学博士)
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