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むしろ、アマチュアがあぶない「 カラオケポリープ 」
歌う機会が多ければアマチュアにも声帯ポリープのリスクはあります。むしろ、歌う頻度が同じならアマチュアの方がリスクが高いといえるかも知れません。
プロは何年もかけて発声法を訓練しますが、多くのアマチュアは自己流です。また、プロは飲酒、喫煙、喉の乾燥といった、声帯に良くない習慣や環境を避けるなど、節制が身についていますが、普通はそこまで徹底できません。声帯のコンディションが良くないまま無理に歌い続ければ当然ダメージも大きくなります。声帯ポリープは別名「カラオケポリープ」と呼ばれることもあり、アマチュアだからといって油断はできません。
カラオケポリープ :声帯を休ませ、必要な場合は手術を選択
声に違和感を感じたら、声帯を休ませることが大切です。歌わないことはもちろんですが、日常会話でも大きな声を出さないようにして声帯の負担をやわらげます。薬で炎症を抑えながら、声帯をしばらく休ませるだけで回復することもあります。
手術を選択する場合についてですが、ポリープの大きさや形状などの条件を満たせば日帰り手術を選択できます。これは、ファイバースコープという機器を使い、鉗子でポリープを摘出する方法で、局所麻酔のため手術中にも意識があり、声の状態を確認しながら手術を行うことができます。
現在、主流となっている方法は、全身麻酔のもとで行う「顕微鏡下喉頭微細手術」です。喉頭鏡という管を咽喉までいれ、顕微鏡を見ながら繊細な手術が可能です。こちらは入院が必要になります。
嗣永さんはプロ意識の高さで知られ、ファンの間では「嗣永プロ」と呼ばれているそうです。しかし、その徹底した自己管理をもってしても声を仕事にするプロフェッショナルの宿命である声帯ポリープを避けることはできませんでした。普段、声を使うことに無頓着な人であれば、声帯の酷使にはなおさら注意が必要です。カラオケなどで頻繁に声がかれる人は、この際、飲酒や喫煙など生活習慣にも目を向けてみましょう。そして、違和感を感じたらしばらく声帯を休ませてください。長く続くようなら、背景に重大な疾患が隠れていないとも限りません。医療機関の受診を検討しましょう。
<参考>
嗣永桃子が声帯ポリープで活動休止「早く治します」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151010-00000082-nksports-ent
執筆:斉藤雅幸(Mocosuku編集部)
監修:岡本良平医師(東京医科歯科大学名誉教授)
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