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乳がんにかかりやすい人 乳がんが出来やすい部位
乳房は「脂肪」と「乳腺組織」で構成されていますが、乳がんは乳腺から発生します。大人の乳房には、乳頭を中心に乳腺が放射線状に15~20個並んでおり、それぞれの乳腺は小葉に分かれていて、乳管で繋がっています。乳がんのうち約90%は、この乳管から発生するもので、「乳管がん」と呼ばれます。小葉から発生するがんも約5~10%あり、「小葉がん」と呼ばれます。
乳がんができやすい部位は次の通りです。
・外側上部(約45%)
・内側上部(約23%)
・外側下部(14%)
・乳輪下部(8%)
・内側下部(7%)
左右の乳房でがんの発生率に差があり、左の乳房のほうができやすい傾向があります。セルフチェックするときは、上記のことを念頭におくといいでしょう。
乳がんの進行スピードとは
乳がんは、がんのなかではゆっくり進むタイプのがんです。一般的には、乳がんの細胞が増えるスピードは約3か月で2倍になるといわれています。そして、がん細胞が直径1cmのしこりになるのは10年かかります。
がんは、大きくなればなるほど成長速度が速くなります。がんが大きくなるということは細胞数が増えるということですから、増えた細胞がそれぞれに細胞分裂して、大きくなるのです。しこりとして倍になるのは、約9~10か月かかります。ただし、なかには炎症性乳がんのように進行が速く悪性度が高いものもあります。
乳がんのがん細胞は小さい時期から乳腺組織に入り、リンパや血液の流れに乗って乳腺から離れた臓器に小さな転移巣をつくると考えられています。このごく小さない転移巣が大きくなってくると、がんとしての症状が出てきます。乳がんが見つかった時点で、すでに他の臓器に転移が見つかったものは「転移性乳がん」といい、手術など治療をしてから他の部位に発見されるものを「再発性乳がん」といいます。
乳がんの進行は年齢や体質によっても差が見られます。いずれにしても、定期的に検診へ行き、早期発見・早期治療をすることが重要です。
執筆:南部洋子(助産師)
監修:岡本良平(医師)
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