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覚せい剤による精神異常 :皮膚を虫が這っている異常な感覚
まず覚せい剤は、最初に使用すると、中枢神経が興奮して、疲労感の除去、気分高揚、陽気、多弁、多幸感などが現れると言います。瞳孔散大、頻脈、血圧上昇などの症状もでてきます。
また、使用を続けると禁断症状として、強烈なかゆみや、皮膚を虫が這っているような感覚が起こり、眠ることができず、精神に異常をきたします。
次に破綻という状態がおき、長時間眠り続け、生気がなくなっていきます。
この破綻の後に、乱用者は、衰弱や飢え、脱水、少し消耗した状態にまで戻るので、なおさら「解決」を求めて、使用して中毒者になっていきます。
覚せい剤による精神異常 :薬物をやめる際に襲う苦痛
最後に使用してから30~90日後、離脱反応(禁断症状)を経験します。憂うつ状態になり快楽などのエネルギーがなくなります。
そして自殺を試みるようになります。離脱は苦痛を伴うので、ほとんどの乱用者は再び薬物を使用することになります。
現在、こうした薬物依存症を治す特効薬はありません。更生施設にて、プログラムをこなしながら徐々に回復を図ります。適切な指導を受け、薬物を使わない生活を送ることができるよう目指しますが、人によっては二度と手を出さないよう回復させることが難しい場合もあります。
<執筆>南部洋子(看護師)
<監修>坂本 忍(医学博士、公認スポーツドクター、日本オリンピック委員会強化スタッフ)
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