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小児慢性疲労症候群 症状と診断
小児慢性疲労症候群の症状としては、脳機能の疲労・機能低下による自律神経機能異常、生体リズムを整える内分泌機能のリズム障害、生活リズムを作る深部体温調節機能障害、および睡眠・覚醒リズム障害、うつ状態などが混在する状態になります。
自立神経機能異常は、呼吸、循環、消化、吸収、代謝など身体活動の基本に影響し、生体リズムの乱れは、内分泌系に異常をきたしてしまいます。
診断には、2007年にアメリカで承認された小児慢性疲労症候群の診断基準「CCFS」が使われます。
CCFSでは、強い疲労・疲労感、極端なだるさ、食欲低下、てのひらの発汗などの症状に加えて、診断の目安になる以下の5つの症状を細かい基準で確認していき、点数化して判断します。
1)労作後疲労(日常的な行動のあとの身体・精神的疲労)
2)睡眠問題
3)疼痛
4)神経認知問題
5)自律神経症状・神経内分泌症状・免疫系症状
さらに以下も確認します。
●少なくとも3か月以上、睡眠や休養によっても改善しない疲労状態が続き、日常生活が50%以上障害される。
●甲状腺機能障害や血液の病気、感染症などが、一般的な医学的検査では異常が見出せない。
結果、すべての基準を満たせば「小児慢性疲労症候群」である、との診断を行っています。
慢性疲労症候群は、まだ病理学的に定義のない疾患で、日本ではまだ特定疾患にも指定されていない難病です。子どもがかかってしまうと、健全な発育にも影響を及ぼしますし、社会人では働けないので生活苦に陥ってしまいます。
子どもが不登校を始めたら、学校生活だけができないのか、それとも日常的な社会生活全般が行えなくなっている状態なのか、子どもの様子を長く観察することが大切です。重症化してしまうと寝たきりのような状態になってしまうこともありますので、早めに病院で診察を受けましょう。現状では、症状を悪化させないための治療法がもっとも大切になります。
監修:三原武彦(小児科医)
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