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動脈が傷ついた場合の対処法 :血液量と出血の種類
人間の体内には、体重の12分1〜14分の1の血液量があると言われています。つまり、体重60kgの人なら約5Lです。体内の血液量の20%が急速に失われると、出血性ショックという状態なります。60 kgの人ならば約1Lです。30%を失うと生命に危険を及ぼします。出血には下記の3種類があります。
【動脈性出血】
動脈からの出血は、脈を打つようにピュッ、ピュッと血液が噴き出ます。血液の色は鮮やかな赤色です。動脈から出血すると短時間に大量出血により失血死の恐れがあるので、緊急な止血が必要です。
【静脈性出血】
静脈からの出血は、色は動脈に比べると暗い赤色です。出血の仕方は、持続的にジワーっと出ます。比較的軽い外傷の際に見られるのは静脈性出血で、短時間に多量出血になることは少ないでしょう。応急処置としては、創部をガーゼで圧迫することにより止血できます。
【毛細管出血】
動脈血と静脈血の中間色です。転んですりむいたり、指を切った時などに起きるしみ出るような出血で、そのままにしておいても自然に止まります。
動脈が傷ついた場合の対処法 :大量出血している場合の止血法
真っ赤な血が勢いよく噴き出している場合は、動脈性出血の可能性があります。出血が多いとショック状態になり、表情がぼんやりとして、目がうつろになります。呼吸は速く浅い状態で、脈拍は弱く速くなります。冷汗が出て、唇が紫色または白っぽくなり、皮膚が冷たくなってきます。かなり危険な状態です。
動脈からの出血が疑われる場合には速やかに救急に連絡すべきですが、到着を待っている間にも血は失われていきます。次のような方法で止血を試みてください。
【直接圧迫止血法】
傷口の上をきれいなガーゼやハンカチ、タオルなどを重ねて傷口に当て、その上を直接強く押さえてしばらく圧迫します。出血部を確実に押さえてことが大切です。それでも血が止まらないならば、両手で体重を乗せながら圧迫します。
手足ならば、心臓よりも高い位置に上げると止まりやすくなります。
【間接圧迫止血法】
主に手や足からの出血の場合、傷口ではなく、心臓に近い止血点を圧迫して止血する方法です。ただし、基本はあくまで直接圧迫止血であり、間接止血は、ガーゼやハンカチなどを準備するまでの間、直接圧迫止血をすぐに行えない時に応急に行うものです。直接圧迫止血を始めたら、間接圧迫止血は中止します。
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