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アメリカの女優アンジェリーナ・ジョリーが、がんの遺伝子検査を行い、自分に発症率が高いことがわかったため、2013年5月に両方の乳房の摘出手術を行なったことは、まだ記憶に新しいことでしょう。この がんの予防的切除 については大きな反響がありました。
彼女は、卵巣、卵管を摘出して40歳を目前に閉経したことについても前向きに捉えています。がんを予防するために、乳房と卵巣などを全摘出したアンジーの選択は、医学的にみてどうなのでしょうか?
がんの予防的切除 遺伝子検査の結果、乳がん発症率が87%だったアンジー
現在、遺伝性腫瘍症候群としての遺伝性乳がんの原因遺伝子がいくつか明らかになっています。そのなかでも BRCA1、BRCA2という2つの遺伝子が、遺伝性乳がんの80%を占めると考えられます。この2つの遺伝子に疾患と関係する病的変化があったら、遺伝性乳がん・卵巣がんと診断されます。
遺伝子の変化は、50%の確率で親から子どもに伝わります。遺伝性乳がんは、一般の乳がんと比較すると発症年齢が低く、40歳未満で発症する乳がんは両側の乳房に発症する頻度が高い、あるいは、卵巣がんも発症することがある、と言った特徴が見られます。ただし、その2つの遺伝子に変異があっても、発症しない人もいます。
アンジェリーナ・ジョリーは遺伝子検査を受けた際、BRCA1の変異が発見されたため、主治医から乳がんの可能性が87%、卵巣がんになる可能性が50%である、という説明を受けたそうです。実の母を卵巣がんにより56歳で亡くしたこともあってか、彼女は、病気の発症前でも、予防の為に両乳房を切除し再建するという選択に踏み切ったのです。
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