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各型別 アレキサンダー病 の症状
1〜3型のそれぞれで、症状に違いが見られます。各型の症状の特徴は次の通り。
●1型(大脳優位型)
精神運動発達遅延、大頭症、痙性麻痺の3症状が特徴。新生児期に発症した場合は、けいれんや水頭症を伴い、ほとんどが数か月以内に死亡します。3症状に加えて、飲み込みにくさ(嚥下障害)、手足の力の動かしにくさ、ふらつき、歩きにくさなどの運動機能障害、尿が出にくい、立ちくらみ、睡眠時無呼吸など自律神経障害が出現します。症状は徐々に進行しますが、進行速度には個人差が見られます。
●2型(延髄・脊髄優位型)
学童期あるいは成人期以降に発症し、筋力低下やけいれん症状などが見られます。学童期に嘔吐やしゃっくりを繰り返し、それをきっかけに受診して発覚することがあります。大脳優位型に比べると進行は緩やかな場合が多いようです。また、無症候の症例も存在します。
●3型(中間型)
1型と2型の両方の特徴を持つ型で、発症時期は幼児期から青年期まで幅広く見られます。嚥下機能、運動機能、自律神経の障害の進行が主な症状ですが、2型よりも進行は早い傾向です。乳幼児期に数回のけいれん発作を起こしたことがある人もいます。多くは精神遅滞あるいは学童期の成績低下を伴います。
アレキサンダー病 の診断と治療
上記症状と頭部MRI検査を行い、 アレキサンダー病 の疑いがあれば遺伝子検査にて確定します。1型は、頭部MRIにて前頭部優位の広範な大脳白質異常、基底核・視床の異常、脳室周囲縁取りの異常、脳幹異常が認められます。2型は、MRI所見として延髄・頚髄の信号異常あるいは萎縮を特徴としています。
アレキサンダー病 の有効な治療法は、今のところありません。対症療法として、けいれん発作がある場合には坑てんかん薬を処方します。また、手足が突っ張る場合は、坑痙縮薬を用います。嘔吐を繰り返す場合は、栄養管理も必要となります。
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