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角膜 がはがれるとはどういう状態?
一方で、角膜はもっと簡単に傷ついたりはがれたりします。とくに角膜上皮は、目のもっとも外側にあたるため、外からの刺激に対して弱く、強くこすったり、誤って他人の指が触れたり、ボールが当たったり、コンタクトレンズの取り外しで起こります。こうした状態を「角膜上皮剥離」といいますが、角膜上皮層の一部が欠損した軽度のものは「点状表層角膜炎」、角膜上皮全層がはがれたものを「角膜びらん」といいます。しかしながら角膜上皮は再生力が強く,小さな傷であれば1~3時間で治ります。傷から細菌に感染することもあるので、治療には、人口涙液のほかに、抗生物質の点眼薬を用います。
角膜 を傷つけた!? こんな症状に注意
次のような症状が出た場合には速やかに眼科を受診しましょう。
・痛み
・ゴロゴロする(異物感)
・涙が流れ出る
・目の充血
・視力の低下
・まぶしさ
角膜上皮剥離の治療には、目の乾燥を防ぐことが大切です。就寝中の乾燥で目が乾いたところへ、起床時のまばたきでまた角膜がはがれてしまう、ということがおきますので、とくに就寝前の点眼が大切です。症状がひどい場合には、点眼薬ではなく軟膏薬と眼帯を用いての治療が有効です。
なんども繰り返す場合は「再発性角膜びらん」の可能性があります。傷や剥離が大きくなければ、角膜上皮剥離では後遺症の心配はありません。
しかしもし、より深く角膜の実質にまで達する傷であった場合は、視力障害を起こす可能性があります。いずれにしても、眼科で適切な検査を受けることが大切です。
監修:岡本 良平(医学博士、東京医科歯科大学名誉教授)
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