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意志を伝えることの難しさ
しかしながら、これができない時もあります。上記の「正攻法」は意志を人に伝えられる場合に有効ですが、意志を人に伝えることは実は難しいことだからです。コミュニケーションは伝える意志と受け取る意志がクロスして初めて成立します。言い換えれば、正攻法はいじめ被害者を大切にする人がいないと使えないのです。仮にいたとしても、その人にアクセスできなければ同じです。
筆者の実感としては、特に職場や家庭は、雰囲気を変えることは難しいようです。強引に変えようとすると、逆に事態が悪化しかねません。学校でも、孤立している生徒が被害者になった場合は、いじめをなくす雰囲気を作ることが多いようです。
いじめを回避する3つの方法
では、真正面から向き合う正攻法がうまくいきそうにない場合はどうしたらいいでしょうか? 筆者の独断で難易度が高い順に対策を挙げると、(1)加害者にとって「面倒くさいやつ」になる、(2)存在感を消してできるだけ隠れる、(3)その場から逃げる──の3つが現実的な対策と言えそうです。
(1)は、「こいつをいじめるとあとあと厄介になりそうだ」と相手に思わせることです。ただ、これはそれ相応の実力やコネクションがないと難しいものがあります。努力して成功したケースもありますが、できる人とできない人に別れるようです。
(2)は、見た目でも行動でも目立たないようにすることです。いじめは被害者が目立つとエスカレートします。枯葉の一枚にでもなったつもりで、粛々とその場をやり過ごすのです。実際に、多くの子供や勤労者の方がこの方法でいじめに耐えています。しかし、加害者の悪質度が高いと被害が拡大することもあるので注意が必要です。
(3)は、転居・転職・転校などです。被害者をリスペクトしない雰囲気が定着してしまった場を変えようとするよりも、新しい場所を求めたほうが現実的な場合もあります。生活を変えるのは簡単ではなく、相応の労力が必要ですが、その気になれば不可能なことではありません。
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