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大切にしてくれる人を「大切にできない」
子ども時代に失われた誇りはなかなか返ってきません。
なぜなら、誇りをなくした人は「誇りを持てない生き方」をしてしまうのです。
褒められた経験や大切にされた経験がないので、そういう立場になると居心地が悪くなってしまいます。
そこで、無意識のうちに自分の価値を落とす行動をしてしまいます。
たとえば、褒めてくれた人や大切にしてくれる人に素直になれないで嫌な思いをさせてしまう、周りから見ると十分な仕事をしているのに「もっともっとやらなければ!」と追い込むあまりヒステリックに余計なことをして周りを困らせてしまう、といった行動が多いようです。
毒親からの「呪縛」を乗り越えるには
大切なことは親を呪うことでも、自分を嘆くことでもありません。
自分の誇りのなさに違和感を持つことです。
あなたは、あなたなりに誇りを持っていいだけのことはやってきていませんか?
あなたほどやっていない人が、あなたよりも自分を誇っていませんか?
あなただけが、なぜ誇りをもてないのか疑問に思ってください。
そして、信頼できる人たちにその思いを語ってください。「5分だけでいいから黙って聞いて、うなずいていて!」とお願いするのもいいでしょう。
あなたのハートのちょっと痛いところを人に話して受け入れてもらうだけで、誇りは回復し始めます。
身近な人には話しにくいという人は臨床心理士やカウンセラーに手伝ってもらうのもいいでしょう。
身近な人に話しやすくなるまで、あなたの痛いところを一緒に整理してくれます。
子ども時代に失った誇りは、意識的に回復させようと思うまで回復しません。
誇れる自分を探す「自分探し」の旅が必要なのです。
時間も気力も必要ですが、ぜひ試みてください。必要なら私たち臨床心理士がお手伝いします。
<執筆者プロフィール>
杉山 崇
神奈川大学人間科学部/大学院人間科学研究科教授。心理相談センター所長、教育支援センター副所長。臨床心理士、一級キャリアコンサルティング技能士、公益社団法人日本心理学会代議員。
公式サイトはこちら⇒ http://www.sugys-lab.com/
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